『オルランド』『タンゴ・レッスン』『耳に残るは君の歌声』『愛をつづる詩』。これまで美しい映像美だけでなく、人々の心と心の触れ合いを大胆な独創性で描き、観る者を魅了し続けてきた、イギリス人女性監督、サリー・ポッター。そんな彼女の最新作は、社会の矛盾や政治不安など刻々と変わりゆく時代を生き抜かねばならない、思春期の少女の煩悶、葛藤、愛などが絡み合い揺れ動く心情と、成長していく様を描いた感動作『ジンジャーの朝 さよなら、わたしが愛した世界』の、初日が8月31日(土)に決定致しました。 シアター・イメージフォーラムにて公開となります。

60年代の社会が不安と変貌で揺れる雰囲気を見事に再現し、女性監督であり自らも吟遊詩人であるサリー・ポッター監督ならではの描写で、常に一緒だった2人の少女の姿を微笑ましく、そしてそんな関係に亀裂が生まれてしまう姿を見事なほど繊細に描いた。そして、自分を取り巻く不秩序で矛盾だらけの世界を受け入れ、それでも懸命に生きていくとい自らの答えを詩に綴るラストは、観る者の心を深く突き刺すだろう。

主演には、ダコタ・ファニングの妹であり『Super 8/スーパーエイト』『Virginia/ヴァージニア』などの話題作に出演し続けているエル・ファニング。そして、その親友役にジェーン・カンピオン監督&コリン・イングラート監督を両親を持つアリス・イングラート、アレッサンドロ・ニヴォラ、クリスティーナ・ヘンドリックス、アネット・ベニング、ティモシー・スポール、オリヴァー・プラットなど豪華出演陣が勢ぞろいしました。

本作は、サリー・ポッター監督が長年温めてきた企画で、「当時は、キューバ危機で本当に世界が終わるかもしれないという恐怖感にかられていたことを鮮明に覚えている。第二次世界大戦を生き延びた時代は終わっていたけれど、時代の変革が起きていた時期で、不安定で矛盾だらけの世界だった。けれど、私たちはいつでも、どこに住んでいても世界とつながっている。そんな中で、自分の信念に従って行動することの大切さ、そしてこの作品が持つ「希望」と「許し」というテーマを感じてほしい。」と語っている。

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執筆者

Yasuhiro Togawa