映画『共喰い』ロカルノ映画祭コンペティション部門正式出品決定!!さらに釜山国際映画祭にも!
第146回芥川賞受賞作・田中慎弥の同名小説を、日本を代表する監督・青山真治が映画化した、今秋最大の話題作『共喰い』が、8月7日〜17日に開催されるロカルノ国際映画祭コンペティション部門に正式出品されることが決定しました!
今年66回目を迎えるロカルノ国際映画祭は、カンヌ・ベルリン・ヴェネチアに並ぶ国際映画祭で、すぐれた才能を早くから発掘することに定評があり、これまでスタンリー・キューブリックやジム・ジャームッシュ、タル・ベーラ、ガス・ヴァン・サント、キム・ギドクといった名監督を数多く紹介してきました。青山真治監督にとってロカルノ映画祭コンペティション部門への出品は、審査員特別賞を受賞した『東京公園』(11)以来2度目(※コンペ外での参加も含めると『路地へ』(00)『赤ずきん』(08)『東京公園』に続いて4度目)。ロカルノ映画祭へは青山真治監督と主演の菅田将暉が参加予定で、菅田はこれが海外映画祭初参加となります。青山監督にとってゆかりのあるロカルノの地を、いま最も勢いのある若手俳優を伴って訪れるとあって、青山監督は感慨もあらたな参加になります。さらに、10月3日〜12日に開催されるプサン国際映画祭への出品も決定いたしましたことも併せてご報告いたします。
映画『共喰い』は、第146回芥川賞を受賞した田中慎弥の同名小説が原作で、昭和最後の夏の山口県下関市を舞台にした、暴力的な性癖がある父をもった17歳の男子高校生の濃密な血と性の物語。人間の欲をあぶりだし、心の奥底に潜む闇を映す濃厚で豊穣な物語に、映画版オリジナルのエンディングも用意されており、原作者の田中慎弥は完成品を観て「ああ、やられた」とコメント。いわゆる「原作ものの映画化」とは一線を画す、奇跡のコラボレーションが実現しました。高い完成度に、鑑賞した評論家やマスコミ関係者から絶賛の声が相次ぎ、マスコミ試写は毎回満員札止めになる大盛況となっています。
<主演・菅田将暉さんからのコメント>
自分が出演し、沢山の人が必死に生きて作り上げたこの「共喰い」という作品が、日本だけじゃなく、世界の沢山の方のもとへ羽ばたいた事に興奮しています。感謝しています。嬉しすぎます。19歳という大人でもなく子供でもない、未熟でどっちが前でどっちが後ろかもわからない時期に、この映画に関われたのも縁だと感じています。遠馬を通じて身の回りの人から感じる愛が眩しく、心が潤いました。
<原作者・田中慎弥さんからのコメント>
自分の手元で生まれた『共喰い』という作品が、青山真治監督をはじめとする皆さんの力でより多くの人に知られ、さらに海外の観客の目に触れるのはありがたいことです。行ったことのない国の会ったことのない人たちに、日本語で感謝申し上げます。
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執筆者
Yasuhiro Togawa