公開時にわずか3日間で興収約10億円を稼ぎ出し、全米初登場1位を獲得したポリス・アクション『エンド・オブ・ウォッチ』は、パトカー内に搭載されたビデオカメラによって、これまで映像化されることのなかったL.A.の犯罪最前線が、凄まじいリアリティと、かつてない臨場感でえぐり出されていることで話題を呼んでいる。なんと、実際にロサンゼルス警察の全面協力と監修を得て、犯罪都市L.A.のなかでも最も危険な地域サウス・セントラルの剥き出しの日常を、二人の警察官の仕事を通じて見事なまでに描きだした作品なのだ。
  
  そしてこの夏は、本作をはじめとしてバディ・ムービーの公開が目立っている(※バディ=仲間、兄弟、相棒)。公開中の『ハングオーバー!!! 最後の反省会』はお酒が災いしてドタバタのトラブルに巻き込まれていく男たちの話、『モンスターズ・ユニバーシティ』 は、怖がらせることを学ぶモンスター大学の仲間たちの話、『ワイルド・スピード EURO MISSION』は凄腕ドライバーたちがチームで活躍する話。ジョニー・デップの最新作『ローン・レンジャー』も悪霊ハンターと正義のヒーローのコンビが悪に立ち向かう話。話題の人気作が揃い、まさにバディ・ムービーラッシュと言えるだろう。『エンド・オブ・ウォッチ』では熱い友情と固い絆で結ばれたテイラーとザヴァラの警察官コンビを演じたジェイク・ギレンホールとマイケル・ペーニャが、撮影開始の5か月も前からロス市警に同行して訓練を受け、まさに本物のバディになりきっている。記録を塗り替える暑さにうだるこの夏の日本列島。こうなったら、気温よりももっともと“熱い”仲間たちの映画を観てスッキリ!! 爽快な気分になるのがオススメだ。

●警察官用語  End Of Watch(EWO)とは●
警察官には1日の終わりに業務日誌を記録することが義務付けられ、最後に“EOW(勤務時間終了)”の3文字と時間を記入し帰宅する。もし彼らが二度と家に帰ることができなければ、それはもう一つの“EOW(殉職)”と呼ばれる。

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=51304

執筆者

Yasuhiro Togawa