深作欣二監督が三島由紀夫の舞台劇を映画化しカルト的な人気を獲得した映画『黒蜥蜴』(1968年)。今作で妖艶なヒロインを演じた美輪明宏に魅せられたフランス人監督パスカル=アレックス・ヴァンサンは、その魅力に迫るべく、美輪明宏本人への密着取材や、横尾忠則氏へのインタビューを行いました。そして、1952年の歌手デビューから、2012年のNHK紅白歌合戦で歌われた「ヨイトマケの唄」(1966年)の逸話や生前の深作欣二監督の発言、そして宮崎駿監督『もののけ姫』(1997年)での声優出演時のエピソードまで、貴重なアーカイブ映像を編集。美輪明宏の唯一無二の実像と華麗な活動の歴史に迫るドキュメンタリー作品を完成させました。

「九州の炭鉱の町で、とても不景気でどん底の生活をしているのに、お金を握りしめて聞きに来てくれる人を見て、この人たちを励ますような社会的な唄が日本にはひとつもなかったので、じゃあ私が最初の歌い手になればいいと、『ヨイトマケの唄』を作詞作曲して歌ったんです」─美輪明宏

本作『美輪明宏ドキュメンタリー 〜黒蜥蜴を探して〜』が8月31日(土)より、東京都写真美術館ホール・渋谷アップリンクにて公開、
同時に東京都写真美術館ホールにて『黒蜥蜴』が35㎜フィルムで上映されます。

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執筆者

Yasuhiro TogawaYasuhiro Togawa