WOWOWが地方の単館系劇場を応援することを目的に、日本未公開の作品を全国で無料上映するイベント「旅するW座」。この上映イベントは、放送作家・小山薫堂とイラストレーター・安西水丸が案内人を務めるWOWOWシネマにて放送中の「W座からの招待状」(日曜午後9時)から生まれた企画。“今観るべき本物の映画”を厳選して紹介してきた同番組が、テレビの枠を抜け出しデジタル化などで閉鎖が相次ぐ全国の映画館を応援することによって、ミニシアターで展開される映画文化を盛り上げることを目的に昨年の11月よりスタートした。カトリーヌ・ドヌーヴ主演のフレンチミュージカル『愛のあしあと』、ヘレン・ミレン主演の濃厚な女性のドラマ『エメランスの扉』、モーリッツ・ブライブトロイ主演のサスペンス・アクション『イヤー・オブ・ザ・スネーク 第四の帝国』など、これまで様々なジャンルの話題作を上映してきたが、今回第4弾の上映作品は、今年になって封切られたばかりのフランスで40万人を動員し大ヒットを記録した『恋のベビーカー大作戦』。7月5日(金)より、名古屋・シネマスコーレほかにて全国順次公開する。全6劇場12回公演を予定しており、金曜の夜の回にて無料上映。その後WOWOWシネマ「W座からの招待状」にて放送予定。

メガヒット作ではなく、WOWOWの目利きを活かした作品を上映するというイメージで始まった「W座からの招待状」。テレビの中の架空の単館劇場「W座」をつくり、単館映画のイメージに合った作品を上映してきたが、映画のフィルムの生産がストップするという記事がきっかけで、はじめに「W座を探して」という北海道から沖縄までの単館映画館を紹介するミニ番組をスタート。そこで築いたネットワークを生かして実現したのがこの「旅するW座」だ。

無料で上映することによって、劇場にとっては新たなお客さんを獲得するきっかけになるかもしれず、WOWOWにとっても、こういった小さな規模の良作も手掛けていることをアピールできる場になる。若い人に映画館の実体験をしてもらい、映画ファンを育てる。映画にかかわるものの思いが一致し、業界関係者からの温かい反応のもと今回で第4弾の実施となった。

無料で映画館で良質な映画を楽しめる。是非上映劇場が近くに住んでいる方は、この機会に映画館でフィルム上映を楽しんでみてはどうだろうか。

『恋のベビーカー大作戦』は、7 月5 日(金)、7 月12 日(金)名古屋 シネマスコーレ、7 月19 日(金)、7 月26 日(金)松山 シネマルナティック、8 月2 日(金)、8 月9 日(金)大阪 シネ・ヌーヴォ、8 月23 日(金)、8 月30 日(金)佐賀 シアターシエマ、9 月6 日(金)、9 月13 日(金)宮古 みやこシネマリーン、9 月20 日(金)、9 月27 日(金)浜松 シネマe_raにて無料上映。※上映時間などの詳細は直接劇場へ問い合わせください。 http://www.wowow.co.jp/movie/wza/

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執筆者

Yasuhiro Togawa