この度、第33回野間文芸新人賞を受賞した本谷有希子の小説「ぬるい毒」の脚本・演出を、映画『桐島、部活やめるってよ』で2013年、日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した、吉田大八監督が、初めて舞台の脚本・演出を手がけることとなりました。
 2007年の『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』でタッグを組んだ本谷有希子と吉田大八が、6年ぶりに、今度は本谷のフィールドである、舞台で再タッグを組むことになった。「劇団、本谷有希子」の番外公演としてこのカードが実現した。まさに映画界から舞台の世界に殴り込みをする勢いだ。
 
その主要キャストが、この度いよいよ発表になりました。
NHK連続ドラマ「純と愛」で一躍注目を浴び、本作で舞台が2度目となる夏菜と、今、映画で出演作品が相次ぎ、実力派として脚光を浴びる、池松壮亮の共演が決定した。

『ぬるい毒』 本谷有希子 著(新潮社)
鈍く燃える自意識の火が、やがて私の人生を静かに焼き尽くす。———————————ある夜とつぜん電話をかけてきた、同級生と称する男。嘘つきで誠意のかけらもない男だと知りながら、私はその嘘に魅了され、彼に認められることだけを夢見る——。「私のすべては二十三歳で決まる」。なぜかそう信じる主人公が、やがて二十四歳を迎えるまでの、五年間の物語。
三島由紀夫賞、芥川龍之介賞の候補となり、第33回野間文芸新人賞を受賞した飛翼作。

【吉田大八監督コメント】
そもそもこれは無理筋かもしれない。でも仕掛けられた罠があまりにも魅力的なのでつい引っかかってみたくなりました。激痛に耐え、罠ごと引き摺り回す勢いでみんな地獄へ道連れです。よろしくお願いします。

【夏菜さんコメント】
原作を読まさせて頂いて、すごく毒々しいのになぜか手が止まらず、一気に読んでしまったこの妖艶な本をどうやったらおもしろく表現できるかな?と今から不安と楽しみでいっぱいです。また新しい夏菜を見せられるんではないかと、思っております。
吉田さんとは一目お会いした時から何か運命的な物を感じて、ご一緒させて頂けて光栄です!池松さんに負けないようがんばります!笑

【池松壮亮さんコメント】
念願の吉田組と思いきや初舞台、しかも「腑抜けども」以来の吉田大八×本谷有希子のタッグ、
何やらとんでもなく奇妙なものが始まりそうだなとワクワクしています。
吉田さんと共に、人生2度目の舞台に挑もうと覚悟を決めました。
初舞台から1年、池松、また舞台やるってよ。

【本谷有希子さんコメント】
ぬるい毒は「舞台化不可能」な小説です。
だから考え直してもらいたいと、私は吉田監督に何度も説得にあたりました。
もし監督が成立させてしまえば、私は自分の目が節穴であったことを認めなければなりません。自分の存在にかけて、この小説を魅力的な舞台にされては困ります!

【チケット販売開始】
2013年7月27日(土)〜

【公演情報】
『ぬるい毒』
2013年9月13日(金)〜9月26日(木) 紀伊國屋ホール

<出演>
熊田……夏菜
向伊……池松壮亮  他

原作:本谷有希子 『ぬるい毒』(新潮社)※野間文芸新人賞受賞作
脚本・演出:吉田大八 
照明:佐藤 啓 音響:藤森直樹 演出助手:相田剛志 舞台監督:南部 丈・池田泰子
制作:寺本真美、北村夏樹  企画・製作:ヴィレッヂ

執筆者

Yasuhiro Togawa