1914年に竣工された東京駅は、来年12月で100周年を迎える。100周年を記念しての様々なイベントも予想される中、この冬に公開される本作はその口火を切る形となる。本作は、JR東日本の全面バックアップのもと、東京駅とその周辺のロケ地での撮影を行ない、東京駅を中心とした街の魅力を引き出した映像が期待できる。
舞台はクリスマス間近の東京駅。1日に100万人以上が利用するメガステーションを舞台に、10人の男女のそれぞれの“愛”を描く、ラブストーリー。
人間不信に陥ったウェブデザイン会社社長、仙台と東京の遠距離恋愛、余命半年を告げられた新幹線の運転士、49年前の果たされなかった約束—。それぞれが抱える思いが、クリスマスをきっかけに、動きだす。毎日何百人もの人とすれ違う中で、たったひとりに出会う“奇跡”によって生み出される一人一人のストーリーが巧みに重なりながら語られる作品だ。

白組の小池賢太郎プロデューサーは、「この映画は、毎日何百人とすれ違う中で、たったひとりとめぐり逢う、その素晴らしさ、大切さを描く映画。クリスマスだから、今、大切な人に思いを伝えよう、という気持ちになってほしい。日本流の『ラブ・アクチュアリー』を作りたい」と意気込みを語る。
監督は、「犬と私の 10 の約束」から「ゲゲゲの鬼太郎」まで、ハートウォーミングな作品からエンタテイメント大作まで幅広く手掛ける本木克英(49)。「日本で最も美しい駅を舞台に、行き交う人々の心と、出逢いの不思議さをロマンティックに描きたい」と語る。脚本は「僕シリーズ 3 部作」、「フリーター、家を買う」(10, CX)など、日常を細やかに切り取り、物語を紡ぐことに定評がある橋部敦子(47)。制作プロダクションは『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズで知られる白組。3者がタッグを組み、この冬、最高にロマンティックな、日本を代表するクリスマス映画が誕生する。

10人全員が主役!6つのエピソードで映画を彩る豪華キャスト陣!

本作は 10 人の男女による 6 つのエピソードで構成される。
仕事で成功を収め、自分以外は信用しないウェブデザイン会社の社長を、映画、テレビドラマ、舞台、そして歌手としても活躍する玉木宏(33)が演じる。玉木の相手役には、昨年アッバス・キアロスタミ監督作「ライク・サムワン・イン・ラブ」で主役を務めカンヌ映画祭デビューも果たした高梨臨(24)。偶然から始まる、クリスマスの素敵な恋のエピソードが描かれる。
遠距離恋愛をテーマにしたラブストーリーには、NTT ドコモの CM で一躍人気となり、テレビ、映画へも精力的に出演、現在「雲の階段」(13/NTV)でも好演が光る木村文乃(25)。JR 東日本の「行くぜ、東北。」のメインキャラクターでもある木村が遠距離恋愛に悩む雪奈役を、等身大に演じる。雪奈の相手役で仙台に赴任している拓実役には、東出昌大(25)。昨年『桐島、部活やめるってよ』で日本アカデミー賞新人俳優賞を獲得し、今年 9 月からの NHK 朝の連続テレビ小説「ごちそうさん」へ出演、来年公開『クローズ EXPLODE』で主役を務めるなど、今最も注目を集める俳優だ。
好きな先輩になかなか想いを告げられないでいる学生役には本田翼(20)。昨年、JR SKI SKI の CM で一躍注目を浴び、現在「ヴァンパイア・ヘブン」(13/TX)で謎めいたヴァンパイア役を好演、7 月からは新ドラマ「ショムニ 2013」(13/CX)の出演も決まっている、ドラマ、CM と大活躍中の女優だ。
さらに、市川実和子、時任三郎、大塚寧々、小林稔侍など、ベテランまでが勢ぞろい。そして、それぞれのストーリーを見守る、東京駅のケーキ店のオーナー役に本作が実に映画 170 本目の出演となる、名女優・倍賞千恵子(71)が起用された。
キャスティングに関して、松橋プロデューサーは、「どの世代のカップルが見ても等身大で楽しめるラブ・ストーリーを目指した」と語る。

東京駅での撮影

東京駅は、JR 東日本の駅の中でも取り扱う収入がダントツ 1 位の駅である。また、JR 東日本に限らず、来年 50 周年を迎える JR 東海の東海道新幹線、東京メトロの地下鉄各線など含め乗降数、乗り換え客ともにも非常に多い駅である。
このため、駅の流動をとめて撮影するのは、きわめて撮影条件として難易度が高い駅であり、特に東京駅は「開業以来、一日たりとも工事がない日はない」と言われており、夜間でも多くの調整が必要なことから撮影は容易ではない。
駅を使った映画としては、「単騎、千里を走る。」(05)で新幹線のホーム撮影以来となる。
また、昨年 10 月の丸の内駅舎保存・復原工事に伴うグランドオープン後では、映画、テレビドラマなど含め初めての撮影となる。今後撮影される箇所としては、①丸の内駅舎の新しい外観、②新しいドーム、③セントラルストリート、④東京ステーションホテル、などが予定されている。
また、撮影のため、新幹線を終電後に臨時ダイヤで動かし、撮影。こちらも、電気や線路などの工事との調整などからきわめて難しいとされていたが、今回初めて撮影可能となった。
そのほか、丸の内側の駅前広場には高さ6mのクリスマスツリーも登場、作品のクリスマス気分を盛り上げる。

<イヴの恋人>
人間不信のウェブデザイン会社の社長がレストランで出逢った女性は、最愛の人を亡くしたばかりで———。
黒田和樹役:玉木宏
佐々木玲子役:高梨臨

黒田和樹:
ウェブデザイン会社の社長。近づいてくる女性はみな金目当てだと思っている。一人でいることが好きで趣味は DVD 鑑賞。
●玉木宏コメント
6 つのエピソードが交錯するという、ぼく自身が経験したことのない新しいタイプの作品で、監督とも意見を交えながら、素晴らしい作品が出来ていると感じています。東京駅開業 100 周年の映画ということで、今から完成を心待ちにしています。
今年の冬、劇場で観ていただくお客様に、キラキラしたものをお届けできる事を願っています。

佐々木玲子:
劇団員。女優を夢見て上京してきたが、クリスマスの養護施設での舞台を最後に高知に帰ろうとしている。
●高梨臨コメント
このような素敵な企画に参加できて嬉しいです。みなさんのクリスマスの思い出のひとつになればと思います。
大切な人や好きな人と一緒にみてもらいたい作品です。
楽しみにしていてください。

<遠距離恋愛>
東京と仙台で遠距離恋愛を続ける雪奈と拓実。ラブラブの二人の間にも、忙しさゆえのすれ違いが訪れー。
山口雪奈役:木村文乃
津村拓実役:東出昌大

山口雪奈:
アパレルメーカー勤務のデザイナーの卵。仙台の彼と遠距離恋愛をしながら、クリスマスイブに行われるファッションショーの準備にいそしんでいる
●木村文乃コメント
王道の恋愛ストーリーというのは初めてになります。私が恋愛もの?と、まだどこか実感しきれていない部分や、ましてや等身大の、と言うことで大丈夫だろうかと思う気持ちもありますが、本木監督を始め頼れるスタッフの方々と素敵なキャストの皆さんとご一緒させていただけるので、一人じゃない、と思えます。
人恋しくなる季節にふわりと温かさをお届けできるように一つ一つのシーンを大事にしていけたらと思っています。

津村拓実:
雪奈の恋人。建設会社の仙台支社勤務。納期に向けて大忙しの毎日を送っている。
●東出昌大コメント
初めてのラブストーリーで少し緊張しています。どんな人にも一生の内に必ずドラマはあると思います。
この映画では、誰かと出逢うということでのドラマが描かれますが、そんな一瞬を切り取って、等身大で演じられたらと思います。

<クリスマスプレゼント>
養護施設で働く千春。施設の 7 歳の茜は、母親が来るのを待っているが—。
岸本千春役:市川実和子

<二分の一成人式>
新幹線の運転士、正行は自分の余命が半年であることを息子に告げられないでいた。
宮崎正行役:時任三郎
正行の妻、宮崎沙織役:大塚寧々

<クリスマスの勇気>
ケーキ屋でアルバイトをする菜摘は気になる先輩にアプローチできないでいたが—。
大友菜摘役:本田翼

<遅れてきたプレゼント>
東京駅近くでケーキ屋を営む琴子には、49 年前、果たされなかった約束があったー。
大島琴子役:倍賞千恵子
松浦泰三役役:小林稔侍

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執筆者

Yasuhiro Togawa