長崎を舞台に、グループホームで暮らす89歳の認知症の母親とのおかしくも切ない日常を描いた『ペコロスの母に会いに行く』が11月より全国公開いたします。原作は本作で62歳にして漫画家デビューを果たした岡野雄一による同名の漫画。2012年1月に自費出版され、5月にFacebook上に応援ページが開設されると同時に一気に注目が集まり映画化が決定。同年7月には西日本新聞社からも出版され、現在16万部を突破するベストセラーになっています。  
 監督を務めるのは長崎出身で現役最高齢監督となる森?東(『時代屋の女房』、『ニワトリはハダシだ』)。主人公・ゆういち役には長崎出身の岩松了、ゆういちの母・みつえ役には赤木春恵。W主演の二人は本作で初主演を果たし、そのうち赤木は、89歳にして本作が最高齢初主演作品となります。共演に原田貴和子、加瀬 亮、竹中直人らといった豪華キャストでも注目を集めます。
 このたび、主人公・ゆういちの母で原田貴和子演じる、若き日のみつえの友人・ちえこ役に原田知世の出演が決定いたしました。幼なじみのみつえとちえこは、ある日ちえこの引っ越しを機に離ればなれに。時がたち、大人になったみつえは長崎市内の歓楽街で、思いもかけない形でちえこと再会する——。
本作で幼なじみのみつえとちえこを演じた原田貴和子、原田知世の姉妹共演は『私をスキーに連れてって』(1987年・馬場靖夫監督)、『結婚』(1993年・鈴木清順監督)以来20年ぶり、3回目となる。

●原田知世(ちえこ役)コメント
ゆっくりと流れていく母との日々。母みつえさんを見つめる原作者岡野雄一さんのまなざしには、愛が溢れています。
それはとても穏やかで、そんな二人を見ているだけで、温かな気持ちになりました。

静かに胸に響く物語です。
私が演じたちえこはみつえの幼なじみで、二人の友情はとても深いものでした。
離れていてもずっと互いの気持ちは近くにあり、それが心の支えとなって、懸命に生きてこられたのだと思います。

どんなことがあっても生き抜いていくことの大切さや命の尊さを、 あらためて感じました。
長崎で生まれたこの作品に参加できたことをとても幸せに思います。

原田知世(はらだ・ともよ)プロフィール
長崎県生まれ。83年『時をかける少女』(大林宣彦監督)で映画初主演。近年の主な映画出演作は、05年『サヨナラCOLOR』(竹中直人監督)、06年『紙屋悦子の青春』(黒木和雄監督)、12年『しあわせのパン』(三島有紀子監督)など。今年7月、小野寺修二作品の舞台『シレンシオ』に出演。歌手としても活動し、07年には高橋幸宏らとバンド pupaを結成。

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執筆者

Yasuhiro Togawa