26歳のとき、『セックスと嘘とビデオテープ』で史上最年少パルムドールを受賞。11年後の2000年、『トラフィック』でアカデミー賞監督賞を受賞。そして、翌年『オーシャンズ11』で世界中でその名を知らしめたスティーヴン・ソダーバーグ。そして引退を明言した彼が最後に選んだのは、ヒッチコックへの挑戦状だった。

『セックスと嘘とビデオテープ』を思わせる欺瞞と嘘に包まれた繊細な心理描写、『トラフィック』を思わせる薬に頼りすぎた現代社会へのアンチテーゼ。『コンテイジョン』のスコット・Z・バーンズのスリリングな脚本。

そして最後を飾るにふさわしい、ソダーバーグファミリーのジュード・ロウ、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、チャニング・テイタムという豪華キャスト。さらに、ソダーバーグ作品初参加の今ハリウッドで最も注目される若手女優ルーニー・マーラ(『ドラゴン・タトゥーの女』)という実力派スターが顔をそろえた。

 ひねりの効いた筋立てと、圧倒的な緊張感を与える描写が“ヒッチコックの現代版”と評され、第63回ベルリン国際映画祭コンペティション部門で上映され、世界中の評論家たちから大絶賛された作品。

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執筆者

Yasuhiro Togawa