2004年のスマトラ島沖地震に遭遇したある家族をモデルに、生命の力強さと、家族の絆を描き出した感動作『インポッシブル』。

主人公のマリアを演じたナオミ・ワッツが、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされたことでも注目を集めた本作。まもなく6月14日(金)より、TOHOシネマズ シャンテほか 全国ロードショーとなります。

リゾート地を突如襲った津波に巻き込まれ、母マリア(ナオミ)と共に流される長男ルーカスを演じたのは、本作で本格的なスクリーンデビューを果たした、トム・ホランド。

弱冠15歳にしてスペインのアカデミー賞にあたるゴヤ賞において本作で新人男優賞に輝くなど、世界中の映画祭・各賞において13部門もの受賞&ノミネートを果たし、賞賛の声を集めた注目の若手俳優です。

見知らぬ土地で未曾有の大災害に巻き込まれ、負傷した母に寄り添うルーカスという役を演じるにあたり、今回が映画初出演となるトムは、精神的にも肉体的にも非常に厳しい演技を要求されました。

撮影を振り返り、「辛いけど、僕にとっては初めての映画だから辛いよりも楽しかったんだ」と語るトム。
「(ナオミやユアンなど)新しい人に出会って、新しいことを学べるから。
僕にとって最高の経験だった」。

母親を演じたナオミ・ワッツが「彼は真実だけを伝えている」と語るとおり、トムが見せる繊細な表情は、想像を絶する体験をしたルーカスの不安と、その中で成長していく少年の力強さを見事に表現しています。

撮影を通じ、母と息子として長い時間を共に過ごしたナオミは、トムの俳優としての素質についてこうもコメントしています。
「トムは才能を超えた俳優よ。何の加工もされていなくて、心が開いている。それに、彼がいるとみんなの仕事が向上するの。」

今後は、既に撮影を終えたケヴィン・マクドナルド監督の『How I live now』(2013)で主人公を演じ、シアーシャ・ローナンと共演。
今後ますます活躍が期待される実力派若手俳優、トム・ホランドの活躍から目が離せません。

【共演者が語るトム・ホランド】

■ナオミ・ワッツ
トムは才能を超えた俳優よ。何の加工もされていなくて、心が開いている。
それに、彼がいるとみんなの仕事が向上するの。
彼が真実だけを伝えているからと思う。

■ユアン・マクレガー
カメラの前で、彼が作品やキャラクターを理解し、学んでいく姿は素晴らしかったよ。トムはとても優秀で、才能豊かだ。
これからどんどん素晴らしくなっていくと思う。

■J.A.バヨナ監督
ルーカス役のトム・ホランドはキャスティングの最後の方に現れた。
僕は、いい子という以上のものを探していたんだ。
優れた俳優、優れた演技がほしかった。
それをトム・ホランドの中に見出したんだ。

【トム・ホランド コメント】

■物語について

脚本を読んで、信じられなかった。
この家族だけじゃなく、そこにいた何万もの人々に、実際にこの悲劇が起こったんだ。だから彼らのために何かをしたいと思った。
この映画を作ることで、ルーカスがもう一度ベンストロムさんを見つける手助けになるかもしれない。
彼らが世界に向けて彼らの経験を語ったり、出来事がどんな風に起こったかを伝える1つの方法になるかもしれないんだ。

■撮影で辛かった部分について

スペインのアリカンテで津波の撮影をした。精神的にも肉体的にも辛かったけれど、気持ちは切り替えられたよ。
辛いけど、僕にとっては初めての映画だから、辛いより楽しいんだ。
新しい人たちに出会えて、新しいことを学べるから。

■ナオミ・ワッツとユアン・マクレガーとの共演について

ナオミからたくさんのことを学んだよ。彼女は演技を助けてくれたり、やり方を助言してくれた。カメラに映っていないときも最善を尽くしてくれる。それが僕を助けてくれた。
ユアンとのシーンは多くないけど、彼からも演技の捉え方をたくさん学んだよ。僕にとって最高の経験だった。

【トム・ホランド プロフィール】
1996年、イギリスのキングストン・アポン・テムズ生まれ。
父親は脚本家で俳優のドミニク・ホランド。
本作でプロとして国際的な映画デビューを飾る。
ルーカス役に配役される以前は、ロンドンのウエストエンドでスマッシュヒットを記録したミュージカル「Billy Elliot」(スティーヴン・ダルドリー演出)においてビリー役を演じた。

最近では、米林宏昌監督のアニメ『借りぐらしのアリエッティ』(10)で翔役の声を演じている。

待機作は、ちょうど撮影を終えたケヴィン・マクドナルド監督の期待作『How I Live Now』(メグ・ローゾフ原作)である。
シアーシャ・ローナンと共演するこの作品で主人公アイザック役を演じている。

2012年、スクリーン・インターナショナルの“明日のスター”のひとりに選ばれ、12年8月より、ロンドンの権威あるブリットスクールに入学した。

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=51086

執筆者

Yasuhiro Togawa