『AKIRA』、『スチームボーイ』の大友克洋を筆頭に、日本のアニメーションを代表するトップクリエイターたちが結集したオムニバスアニメ映画『SHORT PEACE』。『アニマトリックス』の森本晃司監督によるオープニング作品からはじまり、『FREEDOM』の森田修平監督による『九十九』、大友克洋監督の『火要鎮』、「ガンダム」シリーズのカトキハジメ初監督となる『武器よさらば』など、日本をテーマにした個性豊かな作品が並ぶなか、ひときわ異彩を放っているのが『GAMBO』だ。

『GAMBO』は戦国時代末期の東北地方を舞台に、巨大な赤い鬼と白い熊との激闘を描く、新機軸のバイオレンス作品。監督は『鉄コン筋クリート』の安藤裕章、原案、脚本、クリエイティブディレクターに『REDLINE』や『スマグラー おまえの未来を運べ』の石井克人、そしてキャラクター原案に「新世紀エヴァンゲリオン」や『おおかみこどもの雨と雪』の貞本義行という異色の組み合わせ。

貞本義行といえば、約18年にわたり執筆された貞本版「新世紀エヴァンゲリオン」が6月4日についに最終回を迎え大きな話題となっているが、その貞本が『GAMBO』に参加することになったのは、大友克洋からの直接依頼だったことが明らかとなった。

その経緯について『SHORT PEACE』の土屋康昌プロデューサーは「石井克人さんに日本がテーマとだけ伝えて企画書をお願いしましたが、あまりにもぶっ飛んだものがあがって驚きました。大友さんがこれをとても面白がったので進めることにしたとき、大友さんからキャラクターデザインを頼みたい人がいるという話になり、その場で大友さんが携帯から電話しプロジェクトへの参加を依頼した相手、それが貞本さんでした」と当時を振り返る。

また、安藤監督も貞本のキャラクターデザインについて「貞本さんには短時間でしたが予想以上の的確で魅力的なキャラを生み出してもらえました。特に女の子はかわいらしくも生々しさ持ち、『エヴァ』や『おおかみこども』とも雰囲気の違うデザインになったと思います」と語った。

映画『SHORT PEACE』は7月20日(土)より全国ロードショー。

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執筆者

Yasuhiro Togawa