夏休みで無人となったローマ郊外を舞台に、声楽を教えたり犬の世話のバイトをしたりして暮らす孤独な少女ニーナの見る世界。彼女の漠たる不安を象徴するかのような、広い空間をスタイリッシュに切り取る独特の映像感覚に注目。新人女性監督デビュー作。

『ローマの休日』からナンニ・モレッティ、そしてジャンニ・ディ・グレゴリオまで、元来ローマの街にスクーターはよく似合う。本作のヒロインは郊外を滑走し、その無人の光景はファンタジーの世界を思わせるほど新鮮でユニークである。81年生まれの監督を始め、若い才能が結集した。主演のディアーヌ・フレーリは『マイ・ブラザー』(07)でブレイクして以来、舞台やテレビを含め幅広く活躍している。共演のルカ・マリネッリは『素数たちの孤独』(10)で存在感を発揮しており、『ワルツ』(07)が印象的だったマリーナ・ロッコも華を添えている。

2013年8月10日、新宿シネマカリテ/今夏(大阪)梅田ガーデンシネマにてロードショー!!

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執筆者

Yasuhiro Togawa