2012年4月から放送され、最高19.9%という高視聴率を記録した中居正広主演の大ヒットTVドラマ『ATARU』。サヴァン症候群に起因する特殊な能力を持った主人公が、迷宮入りしかけた難事件を解決していくという斬新なストーリーが話題を呼び、世代を問わず幅広いファンを獲得したこの話題作が、いよいよスクリーンに登場します。
 その『劇場版 ATARU‐THE FIRST LOVE & THE LAST KILL‐』は、ドラマに続いてお馴染みのキャストも総出演。アタルの個性を尊重し、誰よりも気遣う警視庁の刑事・沢俊一役に北村一輝。アタルの発する謎のキーワードを読み取り、力を合わせて事件を解決に導いていく元刑事の自称(!?)捨て山探偵・蛯名舞子役に栗山千明。さらに今回は、アタルと同じ天才的な能力を持ち、過去に深いかかわりがある謎の女性・マドカ役に堀北真希が出演。

 そして、劇場版から新たなゲストキャストとして、数多くの映画・ドラマ・舞台に出演し、常に圧倒的な存在感を放つ女優・松雪泰子が決定いたしました!! 事件の捜査本部を取り仕切る義足の車椅子女性管理官・星秋穂役で、アタルの能力に疑問を抱き、捜査から排除しようとしてアタルと対立する役柄です。松雪泰子自身初の管理官役で、しかも上司のミスで機動隊の特車に轢かれて義足の車椅子になった過去を持ち、車椅子だからと刑事を諦めずに捜査をするために管理官に上り詰めたという難しい役どころです。クランクイン初日の捜査本部のシーンでは、義足を外して机の上に置き、『皆さんには、私の足になっていただきだい』と捜査陣を圧倒する迫真の演技を披露しました!!
 そんな新たな境地に挑む松雪泰子が『劇場版 ATARU』のゲストキャストに決定の情報を  お取り上げ頂きますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
 
<星秋穂役 松雪泰子コメント> 
 「ATARU」は木村監督のシュールな笑いや演出がすごく楽しくて、大好きな作品であったのでオファーを受けて嬉しかったです。そして、「ATARU」の世界観はかなり完成されているので、映画から参加というのは緊張もしましたし、物語の前半のエピソードを牽引していく役柄なので責任重大だとも思って撮影に臨みました。
 義足で車椅子ということに関しては、両方とも初めての演技経験で、足がないという状態は想像するしかないので義足はどういう風に出来上がるのか、どう装着して訓練するのかなど可能な限り情報収集をしました。左足のひざ下をテーピングで固く巻いて固定してみて、体重バランスはどうなるのか実際に歩行訓練をしてみたりしました。
 車椅子に慣れるまでに少し時間がかかりましたが、早く行動したいけど動けないもどかしさやイライラする感じが役柄としてとてもリアルなので、その感覚を活かしながら演じています。
 私が演じる星秋穂は、中居さん演じるアタルを追い詰めていく管理官役ですが、アタルという人物や彼の能力について全く知らないというポジションなので彼の能力に頼らずに、情報を頼りに判断して、捜査の指揮をしていきます。また、捜査の過程で足を失ったというハンデがあるからこそ、頭脳でのみ捜査に関わり、与えられた情報を分析して、アタルが容疑者であると極めて冷静に判断していくのです。感情的にアタルと対立するのではなく、冷静な判断で情報を分析した結果でアタルと対立してゆくという構図になっていく。だから敢えて、感情的にならない様に注意して演じています。
 中居さんとは『砂の器』(04年・TBS)以来ですが、8年に一度ぐらいのペースで共演していて、同世代の友達という感覚がすごくあるので、久しぶりで本当に嬉しかったです。以前と変わらず、座長として周りのみんなのことを気にかけて大事にしているので、座長の中居さんについていきたいなと思っています。
 
 
<植田博樹プロデューサー コメント>
過去に捜査の過程で片足を失い車椅子ながら、現場の捜査を仕切る女性管理官。
しかも、沢(北村一輝)と過去に何らかの因縁があった・・
という大変難しい設定を脚本家の櫻井さんから提示されどんな困難にも立ち向かう強い強い覚悟を感じさせる要素と、大人のラブストーリーを感じさせる要素を両立させられる女優さんということで松雪さんに熱烈オファー致しました。よく「この役は◎◎さんしか考えられなかった」とかいう記事を目にしますが今回の松雪さんは、本当に「松雪さん以外では成立しなかった登場人物」です。松雪さんに断られたら、どこかの要素を諦めてキャラクターを変えるしかなかった。
松雪さんのシーンは結構撮りましたが、本当に凄いですよ。鋼のような強烈なシーンでも、女性の色気が常に含まれている。美しい日本刀のような感じです。いやもう、是非ご覧ください。松雪泰子の凄さに震撼しますよ。
ちなみに「ATARUパート2があったらレギュラーで是非お願いします」と先日、ご本人に直訴しましたが。「うふふふ」と謎の笑みを返されただけでした。

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執筆者

Yasuhiro Togawa