『オールド・ボーイ』(03)でカンヌ国際映画祭の審査員特別グランプリを受賞、『渇き』(09)では同映画祭審査員賞を受賞した奇才パク・チャヌク監督。あらゆるタブーとバイオレンスを描きながら、抒情的な美しさをもたらす作品を作り続け、全世界で高い評価を受けている韓国映画界の奇才が、ハリウッドからのオファーを受けて完成させた最新作にして美しくも危険なミステリー『イノセント・ガーデン』が5月31日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、シネマカリテ他 全国ロードショーとなる。

 先日、自身の監督作『復讐者に憐れみを』が韓国のCJ エンターテイメント&メディアとハリウッドの映画製作会社数社により共同製作されることが発表された。代表作である『オールド・ボーイ』はスパイク・リーを監督に、ジョシュ・ブローリンやサミュエル・L・ジャクソンらの出演で今秋全米公開が予定され、『親切なクムジャさん』はシャーリーズ・セロン主演で企画が進行中。そして今回の『復讐者に憐れみを』と、これで監督の作家としてのDNAとも言える“復讐3部作”の全てがハリウッドでリメイクされることになった。

 『イノセント・ガーデン』には、『アリス・イン・ワンダーランド』でスターダムにのし上がったミア・ワシコウスカやアカデミー賞®女優のニコール・キッドマンなど豪華実力派キャスト、美術と音楽には『ブラック・スワン』のスタッフが名を連ね、華々しくハリウッドデビューを飾ったパク・チャヌク監督。ハリウッドが今、最も注目するアジアを代表する映画監督のひとりと言える。来週日本公開を控えた本作のプロモーションで現在来日中の監督を直撃、緊急インタビューを敢行。“復讐3部作”ハリウッドリメイクへの想いを聞いた。以下がコメントとなる。

 「もちろんいい映画を撮ってほしいという思いはありますが、それ以上にもっと大事なのは、オリジナルとガラリと違う作品を作ってほしいということです。まるでアメリカの人達のために書かれた脚本ではないかと思えるようなものになって欲しいと思います。そうすればそれぞれを比較した時により楽しめるものになると思います。」
 

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執筆者

Yasuhiro Togawa