2013 年 8 月中旬より『レフ・クレショフ傑作選』(ユーロスペース他、全国順次公開) 月中旬より『レフ・クレショフ傑作選』(ユーロスペース他、全国順次公開)が公開。

ロシア帝国からソビエトへと体制が移りあらゆるものが変化した、激動の 1910〜20 年代のロシア。芸術でもロシア・アバンギャルドという新しいムーブメントが生まれた時代に、映画においてその先頭にたったレフ・クレショフは、モンタージュ理論を打ち立て、現代映画の基礎を築き上げました。また、先駆者として、セルゲイ・エイゼンシュテインなどの伝説の巨匠を育成したことも、映画史に残る大きな功績となっています。
クレショフが自身の理論を活用して作り上げた映画は、奇想天外なコメディから、シリアスなサスペンス、ロシア内戦をテーマにした重厚な人間ドラマ、スパイ活劇など様々なジャンルにわたり、いずれも発想力にあふれたアートなエンタテインメント作品として高い評価をされています。
この度、クレショフの傑作3作品を一挙上映いたします。

レフ・クレショフ(1899 年〜1970 年)
ロシア帝国〜ソビエト連邦の映画監督。旧体制が崩壊し、新しい芸術活動が芽生え始めたロシア革命直後のソビエトにおいて、若くして世界初の国立映画学校の教授となったクレショフは、クレショフ工房と呼ばれる実験的なワークショップを主宰し、フセ ヴ ォロ ド・ プド フ キン や ボリ ス・ バ ルネットといった巨匠を育てる。エイゼンシュテインも理論の基礎を学んだ。クレショフ効果に代表されるモンタージュ理論を示したクレショフは、モンタージュ理論の祖として映画史にその名を刻む。

『ボリシェヴィキの国におけるウェスト氏の異常な冒険』
1924 年/73 分/b&w/サイレント
後の巨匠バルネットやプドフキンが出演する記念すべきクレショフ工房第1回作品。アクションと風刺満載の伝説の奇天烈コメディ。

『掟によって』
1926 年/80 分/b&w/サイレント
クレショフが自認する最高傑作。クレショフの映画理論を更に進化させた重厚で緊迫感のある異色のサスペンスドラマ。

『二人のブルディ』
1929 年/65 分/b&w/サイレント
主観ショット等、後の映画に影響を与えた撮影技法が随所に光る、戦乱を舞台にした道化師達の人間ドラマ。日本初公開!

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執筆者

Yasuhiro TogawaYasuhiro Togawa