第5回大江健三郎賞受賞の星野智幸による超リアル不条理小説『俺俺』(新潮文庫刊)。“俺の増殖”という奇想天外なストーリーでありながら、“まわりがみんな自分だったら楽なのに”と誰もが一度は感じたことのある現代だからこそリアルな共感を呼ぶ。そんな映像化不可能と称された原作の映画化に、TVドラマ「時効警察」「熱海の捜査官」などで独自の世界観を確立してきた三木聡監督、アイドル・俳優・キャスターと様々な顔を持つ亀梨和也が1人33役を演じるという前代未聞の主役を務めた。なりゆきでオレオレ詐欺をしてしまった主人公・均の前に、同じ顔の“俺”が現れる。好みも考え方もまったく同じ“俺”が集まる最高に心地いい居場所を見つけた均だったが、やがて世の中に増殖した“俺”同士の削除が始まっていく…。

 この度、本作の世界観をより深く感じてもらうべく、劇中のサウンドトラックの中から厳選した5曲を期間限定配信することが決定。ありふれた日常の中で、ありえない出来事が起こる“日常逸脱系サスペンス”の作曲・編曲を手掛けたのは「ゼロの焦点」(09)、「のぼうの城」(12)で日本アカデミー賞優秀音楽賞を受賞した経験のある上野耕路。監督の三木聡は「果たして、情報の変奏があらゆる創造作業の根幹にあるのか?上野耕路氏の音楽に関する底なし沼の様な知識には共同作業者としてただただ、圧倒されている。しかし、一見論理的な上野氏から作りだされる音楽は独特の色気を身にまとい、映画に艶やかな魅力をもたらしてくれる。ああ、快感。」と、大絶賛。そして2曲目に入る予定の「家電が安いよどこまでも I’VE BEEN WORKING ON THE RAILROAD」の作詞は三木聡監督自らが手がけた曲で、ユニークな歌詞・どこかちょっぴり違和感のある曲調にも注目してほしい。

 配給のジェイ・ストームは「映画公開前に耳にしていただくことで、映画に対する期待感を持っていただき、公開後には更に深く、音楽的な側面からも『俺俺』ワールドを楽しんでいただきたいです」とコメントを寄せた。待望の配信期間は、映画公開直前の5月22日(水)〜8月19日(月)の期間限定で、配信先はiTunes、ドワンゴ、music.jp、mora、レコチョクの全5サイト。誰も想像のつかないストーリー展開を彩る『俺俺』の音楽に一足先に浸れる“期間限定”のチャンスを逃さないでほしい。

 また本作で33役という驚きの役柄を務めた亀梨和也は『俺俺』について「周りがみんな自分だったら・・・と考えることは誰でも一度はあるのでは?と思います。わかりあえてとても心地よく感じるけど、やがて俺が俺に消される事態になって・・・!?という笑ってドキドキ、間違いなく楽しめる作品です!」と映画の見どころをアピール。更に“ユル系”を封印した三木聡監督と、脇を固める内田有紀、加瀬亮などの実力を兼ね備えた俳優陣が扮する濃ゆいキャラクターたちにも注目だ。映画『俺俺』は5月25日(土)公開となる。

◆概要
配信期間:2013年5月22日(水)〜2013年8月19日(月)  /  配信先:iTunes/ドワンゴ/music.jp/mora/レコチョク
販売価格:1曲単体/200円  5曲パック/750円
※配信開始前はリンク先のページが表示されない場合がございます。ご了承ください。
◆配信楽曲タイトル(5曲)
タイトル名:『俺俺』オリジナル・サウンドトラック<期間限定配信バージョン>  / アーティスト名:上野耕路
M-1:俺の罪
M-2:家電が安いよどこまでも I’VE BEEN WORKING ON THE RAILROAD    作詞:三木聡
M-3:俺の追跡  
M-4:俺の調査 
M-5:俺山 

配信元:ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントジャパン

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執筆者

Yasuhiro Togawa