発表以来これまでに100万部を超えるロング・セラーとなっている瀬戸内寂聴の代表作「夏の終り」。自身の体験をもとに書いた小説が、出版50周年となる節目の年に待望の映画化となった。

監督は『鬼畜大宴会』で鮮烈なデビューを飾り、近年は『海炭市叙景』で高い評価を得た熊切和嘉。男女の三角関係を描いたラブストーリーに初めて挑み、重厚で静寂な中に溢れ出るような登場人物たちの情熱を見事に描き出した。
主人公・知子を演じるのは満島ひかり。妻子ある不遇な作家との長年に及ぶ愛の生活に疲れ果て、年下の男との激しい愛欲にも満たされない、自身の女の業に苦悩するという難役を見事に演じ切った。知子を愛し優しく見守りながらも妻とも別れられない、寛容さとずるさを併せ持つ年上の男・慎吾を演じるのは小林薫。そして知子を求め嫉妬と孤独に苦しむ年下の男・涼太を演じるのは、今最も注目を集める俳優、綾野剛。
静かな色気と心に深い絶望を抱える慎吾と、どんなに虐げられても一途に相手を求める涼太、そしてふたりの間で揺れながら独自の愛を生きようとする知子というキャラクターたちを、実力派俳優が鮮烈にスクリーンに焼き付ける。

予告編::http://youtu.be/Gc1U9FEJ-0Y

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執筆者

Yasuhiro Togawa