天涯孤独に生きてきた借金取りの男。男の母親だと名乗る女。
初めて母の愛を知った男を待つ、衝撃の真実…そして世界が言葉を失ったある愛のカタチ。
この愛は、本物か、偽者か——。

2012 年ヴェネチア国際映画祭で、ポール・トーマス・アンダーソン監督作『ザ・マスター』や北野武監督作『アウトレイジ ビヨンド』ほか、世界の強豪を抑え、見ごと金獅子賞を獲得した『嘆きのピエタ』。すでに世界三大映画祭(カンヌ、ヴェネチア、ベルリン)での賞を制覇してきたギドク監督だが、今回のこのグランプリは韓国映画史上においても初の快挙となった。

<ピエタ>とは、十字架から降ろされたキリストを胸に抱く、慈悲深き聖母マリアの像のこと。「金で人を試す悪魔」と呼ばれ、憎まれてきた男が初めて知った母の愛。それによって初めて人間の血が流れるものの、それは予想をことごとく裏切る二転三転のドンデン返しへと向かっていく。そして最後に突き付けられる驚愕の真実。魂の慟哭が聞こえてくるような想像を絶するラストシーンで、観る者を未曾有の衝撃と感動で打ちのめす衝撃作。

予告編::http://youtu.be/IpTJT1k7N_c

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執筆者

Yasuhiro Togawa