「日本におけるイタリア年」をきっかけに 2001 年春に始まった「イタリア映画祭」は、今年で 13 回目を迎えます。多くの映画ファンやイタリアファンの皆様に支持され、毎年 1 万人を超える観客が訪れるゴールデンウィーク恒例の大きな映画祭に成長しました。この映画祭での上映をきっかけに、『人生、ここにあり!』『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』『ゴモラ』『ポー川のひかり』『湖のほとりで』など多くのイタリア映画が日本で一般公開され、ヒットしてきました。

今回は2011年以降に製作された新作13本を上映、『司令官とコウノトリ』出演俳優のジュゼッぺ・バッティストンや『素晴らしき存在』のフェルザン・オズペテク監督など、総勢約20名の来日ゲストが登壇して開会式や舞台挨拶、座談会を予定、イタリア文化を満喫出来るイベントになります。

俳優と監督は、4/29(月・祝)の座談会に出席するほか、座談会終了後にはサイン会も予定。また、4/27(土)〜4/29(月・祝)まで、それぞれの作品の上映後に質疑応答を予定しています。

★来日ゲスト(予定)★
『司令官とコウノトリ』出演:ジュゼッぺ・バッティストン Giuseppe Battiston
一度見たら忘れられない大柄な体で、ありとあらゆる役を難なくこなすイタリア映画界きっての名脇役。本映画祭で上映された『ラ・パッショーネ』『考えてもムダさ』などで、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞の助演男優賞を 3 回受賞している。

『それは息子だった』監督:ダニエ—レ・チプリ Daniele Ciprì
2004 年に本映画祭でも上映された『カリオストロの帰還』以降は、主に撮影監督として活躍し、『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』でイタリアの主要な賞を総なめにする。本作で、満を持して長編劇映画に久々に復帰した。

『綱渡り』監督:イヴァーノ・デ・マッテオ Ivano De Matteo
俳優やドキュメンタリーの監督を務める一方で、劇映画でも前作「La belle gente」が高い評価を受け、着実にステップを踏んできた。現代のイタリア社会の深刻さを真っ向から見すえた本作は、ヴェネチア国際映画祭で称賛された。

『日常のはざま』監督:レオナルド・ディ・コスタンツォ Leonardo Di Costanzo
本作は初の劇映画になるが、今まで活動してきたドキュメンタリーの経験が色濃く反映されている。映画の舞台となるナポリの子どもとワークショップを重ねたことで、思春期特有の心の揺れを捉えることに成功している。

『家の主たち』監督:エドアルド・ガッブリエッリーニ Edoardo Gabbriellini
『ミラノ、愛に生きる』でティルダ・スウィントンと恋仲になるシェフ役をはじめ、俳優としてのキャリアが長い。本作は、カンヌ映画祭の批評家週間に選ばれた初監督作から約 10 年ぶりとなる第 2 作で、豪華キャストが息の合った演技を見せる。

『素晴らしき存在』監督:フェルザン・オズペテク Ferzan Ozpetek
今回で本映画祭での上映が 6 作目となるおなじみの監督の一人。『向かいの窓』や『聖なる心』などによるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞の受賞をはじめ、輝かしい受賞歴を誇る。2007 年にはヴェネチア国際映画祭の審査員を務めた。

『赤鉛筆、青鉛筆』監督:ジュゼッペ・ピッチョーニ Giuseppe Piccioni
登場人物の心の動きを細やかに描く演出に長けている、本映画祭の常連監督の一人。今年の 6 月には、マルゲリータ・ブイとシルヴィオ・オルランドが主演で、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞の 5 冠に輝いた名作『もうひとつの世界』が公開される。

■上映作品■
A 『家への帰り道で』エミリアーノ・コラピ監督/2011 年/83 分/Sulla strada di casa (Emiliano Corapi)
B 『天国は満席』カルロ・ヴェルドーネ監督/2012 年/119 分/Posti in piedi in paradiso (Carlo Verdone)
C 『素晴らしき存在』フェルザン・オズペテク監督/2012 年/105 分/Magnifica presenza (Ferzan Ozpetek)
D 『フォンターナ広場 イタリアの陰謀』マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督/2012 年/129 分/Romanzo di una strage (Marco Tullio Giordana)
E 『家の主たち』エドアルド・ガッブリエッリーニ監督/2012 年/90 分/Padroni di casa (Edoardo Gabbriellini)
F 『それは息子だった』ダニエーレ・チプリ監督/2012 年/90 分/È stato il figlio (Daniele Ciprì)
G 『ふたりの特別な一日』フランチェスカ・コメンチーニ監督/2012 年/89 分/Un giorno speciale (Francesca Comencini)
H 『日常のはざま』レオナルド・ディ・コスタンツォ監督/2012 年/90 分/L’intervallo (Leonardo Di Costanzo)
I 『綱渡り』イヴァーノ・デ・マッテオ監督/2012 年/100 分/Gli equilibristi (Ivano De Matteo)
J 『赤鉛筆、青鉛筆』ジュゼッペ・ピッチョーニ監督/2012 年/98 分/Il rosso e il blu (Giuseppe Piccioni)
K. 『来る日も来る日も』パオロ・ヴィルズィ監督/2012 年/102 分/Tutti i santi giorni (Paolo Virzì)
L 『司令官とコウノトリ』シルヴィオ・ソルディーニ監督/2012 年/108 分/Il comandante e la cicogna (Silvio Soldini)
X 『リアリティー』マッテオ・ガッローネ監督/2012 年/115 分 Reality (Matteo Garrone) 特別上映作品

会期・会場:4 月 27 日(土)〜29 日(月・祝)、5 月 3 日(金・祝)〜 6 日(月・休)
有楽町朝日ホール(東京都千代田区有楽町 2−5−1 有楽町マリオン 11 階)
主催:イタリア映画祭実行委員会、イタリア文化会館、朝日新聞社、イスティトゥート・ルーチェ・チネチッタ
特別後援:イタリア共和国大統領 後援:イタリア大使館 協賛:シティカードジャパン株式会社、フィアット クライスラー ジャパン、
フェラガモ・ジャパン株式会社、株式会社紀尾井コーポレーション 協力:バリラ ジャパン株式会社、アリタリア-イタリア航空
公式サイト:http://www.asahi.com/italia/
一般の方のお問合せ:050-5542-8600(ハローダイヤル:〜4月26日、4月30日〜5月2日)/03-3213-0339(会場、会期中のみ)
※ 前売り券販売開始は3月20日(水・祝)10:00から
※ 前売り一般1,400円/学生・60歳以上1,300円、当日一般1,600円/学生・60歳以上1,500円

<イタリア映画祭 2013 大阪>〜日本劇場未公開作品 7 本を上映〜
会期:5 月 11 日(土)〜12 日(日) 会場:ABCホール(大阪市福島区福島 1‐1‐30)

■関連情報■ 今年は、過去のイタリア映画祭で上映された作品が数多く公開されます。
・『ある海辺の詩人−小さなヴェニスで−』アンドレア・セグレ監督/3月 16日から、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
・『海と大陸』エマヌエーレ・クリアレーゼ監督/4月6 日から、岩波ホールほか全国順次公開
・『ブルーノのしあわせガイド』フランチェスコ・ブルーニ監督/4 月13 日から、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
・特集上映「Viva!イタリア」6月29 日から、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
『最後のキス』ガブリエーレ・ムッチーノ監督/『もうひとつの世界』ジュゼッペ・ピッチョーニ監督/『ハートの問題』フランチェスカ・アルキブージ監督

執筆者

Yasuhiro Togawa