綾野剛×黒木華 ミステリアスな色気に包まれた実力派俳優の競演。
 本作の主演には、数々の話題のドラマ・映画に出演し、ミステリアスで独特の雰囲気を放つ人気絶頂の綾野剛と、蜷川幸雄、野田秀樹、長塚圭史ら、名高い演出家から高い評価を受け、今後は『ちいさいおうち』(山田洋次監督)など話題作を控える、若手実力派NO1の黒木華。そのほか、刈谷友衣子、山下リオなどのフレッシュで独特の個性を放つ顔ぶれに続き、伊藤歩、古舘寛治など実力派が集結。そして、本作は、石井岳龍監督が、“聰亙”の時代から温め続けてきた入魂の一作。監督自身、「花はエロスと死の象徴であり、それに侵される男女を見つめなおすことは、生命力のあり方をとらえなおすこと」と語るように、人間と花の関係性を通して、世界の新たな見方を大胆に表現。そして、物語のラストは、一見破滅へ向かうように描かれながらも、エネルギーに満ちた世界の永遠を感じさせてくれる−。

■日時:4月18日(木)18:30〜
■登壇者:綾野剛、黒木華、刈谷友衣子、伊藤歩、石井岳龍監督
■場所:ヒューマントラストシネマ渋谷 (渋谷区)

綾野:すごくうれしです。ようやく始まろうとしているんだなと実感しています。
黒木:隣に綾野さんがいてすごく安心しています。すごく素敵な作品に参加できてうれしいです。
石井:いろいろなことがありましたが、関係者の皆さんのおかげで完成にこぎつけました。キャスト、スタッフのみんなが素晴らしい仕事をしてくれました。誇りに思っています。

▼人の胸に花が咲くーというとても神秘的な題材ですが、この映画の構想はどこからスタートしたのでしょうか?
石井:花の映画を作りたくてずっと考えていたときに、私の知り合いのシナリオライターのじんのひろあき君がアイデアを持ってきてくれました。ここまで紆余曲折あり何度も挫折しました。映画のかたちもかなり変わりましたが、ようやく完成できて感無量です。

▼今回のキャスティングについて教えてください。
石井:今回は理想なキャスティングができました。リアルなファンタジーを作りたいと思っていて、それにみんなが応えてくれました。

▼綾野剛さんについては?
石井:もともと気になっていた役者さんでした。彼なりに役にのりうつったように演じてくれて、現場でみていて私も感動しました。
綾野:恐縮です。石井監督ファンとしてご一緒できることがうれしかったし、それこそファンタジーです。監督は演出がすごくしつこくていろいろと翻弄されました(笑)。監督とは、とにかく狂いましょうという話を散々していたように思います。

▼黒木華さんについては?
石井:黒木さんとは今回はじめてお会いして、ピュアというか、すっぴんというか、そういう女優さんが日本にいることに驚きました。古典的な美しさと芯の強さで十分期待に応えてくれました。
黒木:すごくありがたいですね。こういう顔で良かったなと思いました。勉強することもたくさんあって、監督がいろいろと話してくれて、皆さんがそこに存在してくれたから響子になれたのかなと。そういう体験をさせてくれた監督に感謝しています。

▼刈谷友衣子さんについては?
石井:すごく若いのにこの中で一番しっかりしているんじゃないかな。
(という監督の言葉に刈谷さん以外の全員がうなずき)
綾野:刈谷さん、黒木さん、歩さん、僕、監督の順番だと思います。
刈谷:なんかあんまりうれしくないです。そうなんですかね。オーディションから石井さんの演出がはじまっていて、台本読んですごく洗脳されていて、それもすごく気持ちいいものでした。私の演じたハルカは、みんなが息しやすい場所が逆に息しにくいというイメージでした。

▼伊藤歩さんについては?
石井:昔から良く知っている女優さんで、主役じゃなくて申し訳ない。大変難しい役で、一緒にできてうれしかったです。
伊藤:監督の作品がすごく好きで、ずっと出たいなと思っていました。今回、声をかけていただいてすごくうれしかったです。リハーサルで監督から感情入れないでやってといわれて、そこでスイッチが入ったというか、抑えて抑えてやる演技というのを教えていただきました。

▼綾野さんとの共演はいかがでしたか?
黒木:綾野さんって変ですよね。それはすごく魅力的っていう意味です。衣装あわせで初めてお会いしたときに、距離感の近い人だなと感じました。綾野さんとの共演は楽しかったし、すごく刺激になりました。

▼最後の挨拶
綾野:とにかく本当に一緒に狂っていただけたらと思います。いつもは自分の主演作が公開されるときはとても不安なんです。でも今日ははじめてというくらい楽しみです。この映画の賛否を受け止められる自信があります。こういう映画が世に出ていくことが重要だと思います。
黒木:全てがカッコ良くて、石井さんの世界だと思います。この世界観にどっぷりつかっていただいて、
花の美しさ、胸に花を宿した女性の美しさを感じで欲しいです。

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執筆者

Yasuhiro Togawa