「八甲田山」「鉄道員(ぽっぽや)」など日本映画史に残る名作で撮影を担当してきた、木村大作。2009年、立山連峰の厳しい自然環境のもと長期撮影を行った「劔岳 点の記」が、初監督作品にして日本アカデミー賞最優秀監督賞ほか数多くの賞を受賞し、観客動員200万人突破、興行収入25.8億円の大ヒットを記録しました。本物の映画を創り出してきた木村大作が監督として次に挑むのが、の同名小説が原作の『春を背負って』となります。父の山小屋を継ぎ、人との交流を通じ自分の居場所を見つけていく主人公・長嶺亨役に、「GANTZ」2部作、「ノルウェイの森」、NHK大河ドラマ「平清盛」など若手実力派俳優として第一線で活躍しつづける俳優・松山ケンイチが決定。そして、蒼井優、豊川悦司、檀ふみ、小林薫ら豪華な顔ぶれがそろいました。
 立山連峰で幼少期を過ごした(松山ケンイチ)は、山小屋の主として生きる父・(小林薫)への反発から立山を飛び出し東京で社会生活をスタートさせていた。優秀な外資系投資銀行のトレーダーとして活躍する亨だったが、日々の仕事に忙殺される中で、どこか自分の居場所がないという思いを抱きはじめていた。そんなある日、父の訃報が届く。通夜のために久しぶりに立山に帰った亨の前には、気丈に振る舞う  母・(檀ふみ)、涙を必死に堪えて山小屋で働く高澤愛(蒼井優)、その姿を沈痛な面持ちで見守る山の仲間たちの姿があった。父の想い、そして山に触れた亨は、疑問を感じていた今の生活を捨て、多くの人に愛された父の山小屋である“小屋”を継ぐことを決意する。都会とまるで勝手の違う山での生活に悪戦苦闘するが、亨は愛と共に、美しく、時に厳しさを持つ山の自然と向き合ううちに自分の“居場所”を見つけていく。そんなある日、亨の前に、父の友人を名乗る不思議な山男・ゴロさん(豊川悦司)が現れ…。

【松山ケンイチ コメント】
 クランクインの前に、木村監督と一緒に冬山の登山を体験させてもらいました。
 山に一緒に登って良かったと思う事は監督とたくさんコミュニケーションをとれた事です。
監督の作品、演技に対する気持ちを知る事が出来たのは一番の役作りになったと思います。監督は感情の人。それがたたずまいに反映出来るように演じていきたいと思っています。共演者のみなさんとの競演ではない共演も楽しみにしています。
【蒼井 優 コメント】
 木村組初参加となりますが、久しぶりの過酷なロケになりそうで、今からわくわくしています。
 木村さんの振られるタクトに集中し、信じ、見逃さず、生還したいと思います。
 『春を背負って』、公開はまだまだ先ですが、楽しみにしていただけると幸いです。
【豊川悦司 コメント】
大自然の中で、自分が感じた事を、そのまま役に託して、観客のみなさんにお伝えできればいいなと。大変な撮影になるのでしょうが、今からワクワクしています。

【壇 ふみ コメント】
長いこと、神々しい山の頂きに立ってみたいと憧れていました。それが、「映画」という素晴らしい形でかなうなんて、夢のようです。みなさまの足手まといにならぬよう、スクワットで足腰を鍛え、その日を待っております。
【小林 薫 コメント】
 剣岳のメイキングを観ていて、正直これ大変だなぁって、まあ笑うしかないですね。
 役者は云われたことをやるしかないので、監督に付いて行くだけ、気楽って云えば気楽です。

撮影は、富山県立山連峰を舞台に4月〜11月の8カ月にも及ぶ長期ロケを予定。2014年6月公開予定です。

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執筆者

Yasuhiro Togawa