数あるディズニー/ピクサーの傑作の中で、最も愛され世界中から続編への希望の声が絶えない作品のひとつ『モンスターズ・インク』。新作でマイクとサリーの最恐名コンビが誕生する“学生時代”を描く『モンスターズ・ユニバーシティ』(7月6日)の公開が話題となっているが、この度、『ファインディング・ニモ』の新作で『〜ニモ』の1年後を描く『ファインディング・ドリー』(原題・米:2015年11月25日公開予定)の企画がアメリカで発表された。
 
 2003年に公開された『ファインディング・ニモ』は人間にさらわれてしまったカクレクマノミの子どもニモを心配性の父マーリンと親切だけど物忘れのひどいドリー(ナンヨウハギ)が果てしない海を冒険しニモを探し出す冒険と感動のストーリー。本作でアカデミー賞・長編アニメーション賞を受賞し、さらに、日本での興行収入も110億円を記録する大ヒットを記録した作品。
 オリジナル版でドリーの声を演じたエレン・デジェネレスは「とっても長い間、この日を待ち望んでいたの。長く長く長く時間がかかったことを怒っているわけじゃないのよ。ピクサーの人たちが『トイ・ストーリー16』の制作で忙しかったのは知っているから。でも時間をかけただけあったわ。台本が素晴らしかったの。それに1作目で大好きだったものが全て詰まっているの。」と冗談まじりに続編への喜びを爆発させた。
 
ディズニー/ピクサーといえば『トイ・ストーリー』(96)の発表以降14本の新作を発表しており、近年でも『WALL・E/ウォーリー』(08)『カールじいさんの空飛ぶ家』(09)『メリダとおそろしの森』(12)等アカデミー賞を獲得するなど輝かしい成功を収めている。通常はヒット作からシリーズ化は定石だが、ディズニー/ピクサーで劇場公開された続編は「トイ・ストーリー」「カーズ」のたった2作品だった。それもそのはず、ディズニー/ピクサーで続編を作る際のハードルの高さは新作の比では無く、スタジオを納得させる為には全てのクオリティが前作を上回る必要があるのだ。その結果は興行収入が全てを示しており、続編のクオリティは絶対なのだ。

 一昨年に『モンスターズ・インク』(02)の新作『モンスターズ・ユニバーシティ』。そしてこの度の『ファインディング・ドリー』(原題)とシリーズの新作を発表するディズニー/ピクサー。果たしてこの快進撃はどこまで続くのか?
 まずは今年の夏、『トイ・ストーリー3』以上の前売鑑賞券販売数実績をあげている『モンスターズ・ユニバーシティ』がその興奮と感動で証明してくれるだろう。

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執筆者

Yasuhiro Togawa