この度、大森立嗣監督が初の女性を主人公にした映画に真木よう子を主演に迎え、挑戦した『さよなら渓谷』(原作:吉田修一)。エンディングテーマの解禁を発表させていただきます。

7年ぶりの主演作にして、事件の被害者ながら加害者を愛する、という難役に挑み、女優として懇親の力を込めた作品で挑戦した真木よう子最新作「さよなら渓谷」が6/22(土)から公開します。
 その作品のエンディングテーマをこの度、椎名林檎が作詞・作曲、そして真木よう子自身が歌うという史上初のコラボレーションが実現しました。
  かねてより親交のあった二人が、初めてそれぞれのプロフェッショナルの立場でタッグを組むことになったのです。今回、椎名林檎さんは映画を見て本作の詞曲を担当、真木よう子さんは2011年にTOKYO No.1 SOUL SETのデビュー20周年を記念した企画アルバムに、小泉今日子らの女性アーティストとともに、往年のヒット曲のカバーを歌い、参加しているが、今回は本格的に主題歌を担当することになりました。

●今回の経緯●
真木さんが歌うということで、映画のエンドロールまで映画の世界感を残したいというプロデューサーからの発案だが、歌うのであれば、ぜひ椎名さんとご一緒したいという真木さん自身の希望があり、実はもともと親交のあった真木さんと椎名さんのコミュニケーションにより、奇跡のタッグが実現した!!

真木よう子さん インタビュー
●真木さんと椎名さんの親交について
5〜6年位前、とあるきっかけで連絡先を交換し、そこからメールでやり取りする「メル友」のようにになってゆきました。それまでも、椎名さんの楽曲は聞いていたのですが、リリース毎にCDも頂いたりして、今まで以上に椎名さんの世界観に魅了され、頻繁にメールのやりとりをさせていただいていました。ライブにも何度かお邪魔をしてお話させていただく機会はあったのですが、なかなか食事にいったりなどの時間がとれないままでした。今回、「さよなら渓谷」の主題歌を歌ってほしい、とプロデューサーから提案があった時、自分で歌う、ということもあって、歌手ではない私が歌うなら信頼できる方とご一緒したいという思いから、是非椎名さんで、と逆提案させていただき、実現することができました。

●今回エンディングを歌うということについて
「 歌う」ということのお話に対しては最初は正直抵抗感がありました。というのも自分でも本当に力を入れた作品で、私だけではなくスタッフやほかの共演者の方々も、みんなが本当にひとつの作品をよくしようと、一丸となった大切な作品だったし、しかも大好きな椎名さんから楽曲提供していただくとても光栄なことだからこそ、最後の最後で歌手でもない私が歌う事のプレッシャーが大きくて、責任感や不安がありました。でも歌うと決めたからには頑張ろう、それだけでした。

●今後の歌手としての活動は?
こんな歌唱力で歌わせていただけるんでしたら。。。 

●椎名さんの書かれた詩、曲、そして「幸先坂」というタイトルに対しての印象は?
最初は歌詞が書かれた紙と林檎さんの歌入りのCDをいただきました。昔から椎名さんの曲をたくさん聞いていたので、既存曲の中だったら「落日」という曲があってるんじゃないかなっていうことを思ってたのですが、実際出来上がってきた歌は想像をはるかに超えてきたというか、この作品にぴったりの曲を上げてきてくださったので、椎名さんの才能に改めて驚きました。かなこは、被害者ではあるけれど、この物語は決して不幸な結末ではないと思っているのです。これからの人生を歩んでいくという希望を匂わせたエンディングであると思ってたこともあり、そういうこともしっかりと汲み取って表現してくださった気がしたのです。
 
●歌ってみての印象は?
お仕事で椎名さんと接するのは初めてです。レコーディングでぶっつけ本番でしたので、とても緊張しました。何より、大好きなアーティストの前で歌うことで、の緊張感はありましたし。前回ソウルセットさんに参加させていただいた時はお友達同士でゲスト出演という形でしたので、そことは緊張感がちょっと違いました。主人公「かなこ」を演じた責任もありましたし、技術的なことはできないけれど、映画を観終えたお客さんが、まるでかなこが歌っているかのように感じて頂ければ幸いです。

椎名林檎さん コメント
一足お先に拝見しました
ありがとうございました
一度鑑賞し終わったとき・・
無音のエンドロールをぼんやり眺めていると、真夏の土の匂いのように音楽が沸き上がりました
ずっと昔から渾渾と生まれて来ていたのにずっと見ないフリをして済ませて来ていたかのように
この映画には、一貫して、作為とは無縁の大自然が横たわっていたのです
だからこちらから提供する素材も、決して調理しないよう気を付けました
真木よう子氏も、同じ考えをもって声を出していたのではないでしょうか
はじめからおわりまで、圧巻の名演でした
銘作の完成、本当におめでとうございます

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=50885

執筆者

Yasuhiro Togawa