2012年イタリア・アカデミー賞(ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞)、2011年ヴェネチア国際映画祭FEDIC賞をはじめ数多くの映画賞を受賞し、各国の評論家や観客を魅了、日本でも2012年イタリア映画祭で『シュン・リーと詩人』というタイトルで上映され好評を博した『IO SONO LI』の邦題が『ある海辺の詩人〜小さなヴェニスで〜』に決定し、2013年3月シネスイッチ銀座他にて全国順次公開の運びとなりました。

“小さなヴェニス”と呼ばれる、ラグーナ(潟)に浮かぶ美しい漁師町—キオッジャ。中世さながらの建物が並び、石橋、石畳、様々な漁船が行き交う運河、漁具を担ぐ男たちの姿など、素朴な雰囲気をもった町である。そこに佇む小さな酒場“オステリア”には毎晩のように地元の男たちが集まり、町で生きる人々の心の拠りどころになっていた。そんなオステリアで出会った、べーピとシュン・リー。異国の地からやってきた二人はお互いの孤独を美しい詩を通して分かち合い、次第にかけがいのない大切な存在となっていく。しかし、古くからの人々が住む小さな町では、突然異国から来たシュン・リーとの交流は受け入れられず、べーピは心の拠りどころを失ってしまう。時が過ぎ、シュン・リーが久しく訪ねてきたキオッジャにべーピの姿はなく、残されていたのはべーピからの胸を打つ想いが詰まった最後の優しい手紙であった—。

シュン・リーを演じるのは2006年ヴェネチア国際映画祭グランプリを受賞した『長江哀歌』のチャオ・タオ。べーピ役には『M:I-2』『バットマン ビギンズ』など多くの作品で世界的に活躍しているラデ・シェルベッジア。この春、最高に美しく儚い“出会いと別れ”の物語で、あなたの心に温かいあかりをそっと灯します。

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執筆者

Yasuhiro Togawa