『二十四の瞳』、『喜びも悲しみも幾年月』、『楢山節考』など数々のヒット作を生み出し、盟友・黒澤明監督と共に、一時代を築いた映画監督、木下惠介。
1998年、86歳で逝去した木下惠介監督が、本日12月5日に生誕100年を迎えます。
それに伴い、木下惠介監督作品を見直す世界的な動きも活発化し、カンヌ国際映画祭(クラシック部門)、ヴェネチア国際映画祭(クラシック部門)に続き、来年2月から開催される、ベルリン国際映画祭のフォーラム部門に5作品の出品も決定、世界三大映画祭での上映が叶うなど、再評価の声も高まっております。

生誕100年を記念して製作が進められていた、新作映画『はじまりのみち』も11月29日(木)、木下監督の出生地・静岡県浜松市で遂にクランクアップを迎えました。仕上げ作業を経て来年、2月の完成を目指しています。
今回、撮り終えた監督にアニメと実写との違いについて聞いたところ、初めて実写映画の撮影を経験した原監督は、実写とアニメの違いについて、一番大きな違いは季節と天気に左右されるということ。」と一言。そして、演じた俳優の皆さんや一所懸命に働いてくれたスタッフの姿をみて、いい映画にしなくてはいけないと、気持ちを新たにしましたと語った。

本作では、戦中、惠介が脳溢血で倒れた母を疎開させるために二台のリヤカーを用意し、一台に母を乗せ、もう一台は身の回りの品を積み、兄・敏三と便利屋と三人で山越えした、という木下監督の実話を軸に、血気盛んな映画青年として軍部に睨まれ、松竹を一時離れるきっかけとなった『陸軍』のエピソードを盛り込みつつ、戦争という時代のうねりに翻弄されながら、母を想う子、子を想う母の真実の愛の物語を描き出します。
日本を代表するアニメーション監督である原恵一の、初めての実写映画であることも相まって、注目が集まるこの映画の場面写真・メイキング写真を初公開いたします。

※11月9日クランクイン。11月29日クランクアップ。 2013年2月完成予定。 
※ロケ地は、静岡県浜松市を始め、長野県、群馬県、栃木県、千葉県ほかにて撮影。

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執筆者

Yasuhiro Togawa