アメリカ・ロサンゼルスで開催されたLA EIGA FILM FES(12月14日-12月16日)で映画『ヘルタースケルター』が北米プレミアとして公式上映され、LAの観客を拍手喝采・大絶賛で魅了しました。
コダック、チャイニーズとならぶ米3大劇場のひとつで、本年で90周年を迎えるハリウッドを象徴する劇場であるハエジプシャンシアターで開催されたレッドカーペットセレモニー及び舞台挨拶に、蜷川実花監督と出演の桃井かおりが参加しました。
・11/14(金)現地時間、開催されたレッドカーペットに登場した蜷川実花監督と桃井かおりさんに、アメリカの桃井かおりファン、蜷川実花ファンが熱狂。その様素を現地メディアのサウンドバイツが取材し、本作及び二人の人気の高さが伺えました。
さらに二人は・11/15(土)現地時間、北米プレミアとなった公式上映前の挨拶、上映後のQ&Aに登壇。650席が完全満席。鳴りやまぬスタンディングオベーションで迎えられ、予定を超える40分ものQ&Aが行われました。

【LA EIGA FILM FES舞台挨拶 Q&Aレポート抜粋】
・トピック1・・・「桃井かおりさんの若い時の写真が本物か?」という質問に対し、「(日本の技術)GOSEI(合成)よ」と日本語で切り返し笑いを誘い、蜷川実花監督の「若いころは”りりこ”だったんですよね?」というツッコミに、「そうよ。昔はりりこだったわよ。私」とノリ良く答えた。

・トピック2・・・「どういう経緯でキャスティングしていったか?」との質問に対し、蜷川実花監督は「何度考えても主役は沢尻エリカしか考えられなかった」ということ「次にオファーしたのが、どうしてもやって欲しくて、多田役は桃井かおりさんにやってほしかった」と答え、桃井かおりは「映画の中でママ、ママって呼ばれてたでしょ?私、撮影中、本当にママだと思って演じてたのよ。今日、上映で見て母親じゃないって分かったのよ」とアメリカン・ジョークを交えて答え、アメリカの観客の爆笑をとった一方、蜷川実花監督は「桃井さんにはオファーさせていただいた際、『私、あなたを助けるわ』といってくださって、その後のいろんなことがスムーズに動いて本当に感謝しています。私ができることがあれば、いつでも言ってください」と答えたのに対し、桃井かおりは「日本には女性の映画監督がいないの。蜷川実花と私くらいよ。みんないじめないで育ててね」と、蜷川実花と桃井かおりの才能を、ハリウッドにアピールした。

・トピック3・・・「東京が美しく描かれていて、まるでウディ・アレンが撮ったニューヨークに感じられたのが、何か意識しましたか?」という質問に対し、蜷川実花監督は「そう感じてもらえたらうれしい。東京生まれだから、自分だから描ける東京の本当の姿を描きたかった。東京には、日本は島国だからかもしれませんが、独特の文化が濃縮しており、”かわいい”に象徴される幼いことや、若いことが、尊ばれる独特な文化があり、良いことなのか、悪い事なのかは私にはわかりませんが、濃縮された文化があることを伝えたかった」

・ピック4・・・「スターの苦悩について描いている話」原作についての質問に対し、蜷川実花監督は「原作は時代を先どっていて、90年代には特別で特殊なスターの物語であったが、10年代にはtwitterやfacebook、ブログの登場によって、普通の人が発信する側の人になったことで、誰もがありえる状況を描いた映画になったと思っています」という答えにアメリカの観客も大きくうなずいていた。

・トピック5・・・「次回作の予定」について聞かれ、蜷川実花監督は「映画は私にとってセルフポートレートのようなものなので、本当にやりたいもを見つけるのに時間がかかります。」と、しかし「3年後にはハリウッドに戻ってきます!」と意気込んだ。

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執筆者

Yasuhiro Togawa