現代社会で自分を見失った若者の真実に迫る傑作の誕生その夏、マーサは山の上の農場から脱走した。カルト集団に家族の愛情を求め、マーシー・メイという新しい名で過ごす共同生活に安らぎを感じていたはずなのに、今は何かに脅えている。姉夫婦に見守られ、安全だと頭ではわかっていても、心にはカルト集団での記憶がよみがえる。自給自足の生活、リーダーから捧げられた歌、そして“浄め”の儀式——マーシー・メイの妄想は、やがてマーサの現実の世界を少しずつ侵してゆく……。

監督は、新世代の映画作家として今最も注目を集めているショーン・ダーキン。友人の体験談をもとに、カルトの恐怖と、傷ついた人間が陥る闇の深さをリアルに描き出した。主演は、ドラマ「フルハウス」のオルセン姉妹を姉に持つヤングセレブとして知られるエリザベス・オルセン。
無防備なエロスと知的な演技で華々しいデビューを飾り、スター街道を歩み始めた新星から目が離せません。

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執筆者

Yasuhiro Togawa