『プライベート・ライアン』『ハートロッカー』これらはフィクションだった。
常時4台のカメラで撮影された本作は劇映画なのかドキュメンタリーなのか?!ゲームでもフィクションでもない、これが「戦争」の現実

アフガニスタンの最前線アルマジロ基地。
国際平和活動(PSO)という名の下に派兵されたデンマークの若い兵士たちに7ヶ月密着撮影を敢行した。
アルマジロ基地はNATOが統率する国際治安支援部隊の一つでイギリス軍とデンマーク軍が駐留している。

平和な都市生活から前線基地での軍務。
タリバンを敵とする偵察活動という戦争の日常のなか、たった一度の交戦で極度の興奮状態を体験した若い兵士たちは戦争中毒に陥っていく。

監督のヤヌス・メッツとカメラは銃撃戦の最前線にも飛び込んで行き、兵士のヘルメットに搭載されたカメラの映像は銃弾が横をかすめるのをとらえる。
あまりに臨場感あふれる衝撃映像は、まるで「戦争映画」というエンターテイメントを体験しているようで、フィクションなのか現実なのかの区別がつかなくなる。

これは決して他人事ではない。

日本でも憲法9条の歯止めがなくなれば、この映画のように大切な人を戦地へ送り出すことになるのかもしれないのだ。
戦争とは、人を殺すこととは、正義とは。ゲームでもフィクションでもない「現実」を突きつけられるドキュメンタリー。

☆2010年 カンヌ国際映画祭 批評家週間グランプリ受賞作品

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執筆者

Yasuhiro Togawa