この度、木下惠介生誕100年を記念し、木下惠介監督作品5作品が、第63回ベルリン国際映画祭フォーラム部門(2013年2月7日?17日開催)にてニュープリント上映されることが決定しました。
この上映により、木下作品は、今年のカンヌ国際映画祭クラシック部門『楢山節考』デジタルリマスター版、ヴェネチア国際映画祭クラシック部門『カルメン故郷に帰る』デジタルリマスター版に続き、世界三大映画祭で上映されることになります。同じ監督の旧作が一年間に上映されることは稀で、快挙と言えます。

ベルリン国際映画祭での上映作品は、木下作品の中でもまだあまり知られていない多様性に富んだ傑作5本(『歓呼の町』『女』『婚約指環(エンゲージリング)』『夕やけ雲』『死闘の伝説』)。
戦後の日本人の心に響く、抒情的で涙を誘うヒットメッカーのイメージが強い木下惠介ですが、実は革新的なアーティストであり、常に斬新な工夫をしなやかに追求した、真の挑戦者であったことがベルリンから、世界に向けて紹介されます。さらに、香港国際映画祭の他、国内でも上映が続々決定しており、生誕100年を迎える木下惠介監督は日本で、世界で再評価が高まり、アニーバーサリーイヤーで大きな盛り上がりを見せています。

また、今週土曜日(12月1日)には、現在開催中の「木下惠介生誕100年祭」(場所:東劇)にて「木下惠介生誕100年シンポジウム」を開催します。
ここでは木下監督が残した功績や、木下作品における現代性など様々な角度から迫ります。

【木下惠介生誕100年祭  シンポジウム】

【日 時】  12月1日(土)
【場 所】  東劇(東京都中央区築地 4-1-1 東劇ビル3F)
【内容】
第1部:「今、甦る木下恵介〜日本から見たキノシタ、世界から見たキノシタ」
◆テーマ: 日本最高のヒットメーカー、黒澤明最大のライバル、叙情、コメディ、芸術、社会派等、世界から見たキノシタはどういう映画作家か
◆登壇者: 山田太一(脚本家)、橋口亮輔(映画監督)、ウルリッヒ・グレゴール(映画史家/ベルリン国際映画祭フォーラム部門創設者)※通訳付
◆司会 : 長部日出雄(小説家)

第2部: 「しなやかな挑戦者〜時代とともに映像の可能性に挑戦し続けた信念の人」
◆テーマ: 革新的アイディアと技術、初カラー、テレビ界での挑戦など常に時代の最先端を走り続けた木下惠介の魅力について
◆登壇者:山田太一(脚本家)、大根仁(映像ディレクター)、長谷正人(早稲田大学文学学術院教授)
◆司会 :長部日出雄(小説家)

12/1(土)シンポジウム付き上映
「カルメン故郷に帰る」「楢山節考」
Pコード 550-331
http://ticket.pia.jp/pia/event.do?eventCd=1244149

詳細は下記の公式サイトを御覧ください。
http://www.shochiku.co.jp/kinoshita/
http://filmex.net/2012/schedule.html

執筆者

Yasuhiro Togawa