この度、狂気とヴァイオレンスの描写が、クエンティン・タランティーノの『レザボア・ドックス』や『キル・ビル』を彷彿させる『SUSHI GIRL』が、12月22日より銀座シネパトス最後のお正月映画として公開の運びとなりました。

本作の一番の注目はやはり、女性の裸に盛られた寿司「女体盛り」のSUSHI GIRLの存在である。彼女は一糸まとわぬ姿でテーブルに横たわり、周りでどんなことが起きようとも微動だにせず、一言も発さず、「女体盛り」としての役割を果たす。まるで「女体盛り」が日本文化のように描かれ、議論を巻き起こすこと必死であるこの作品。

女体盛りの起源は定かではないが、一節としては元々琉球のおもてなし料理である御冠船料理が、更におもてなし感を演出するために女体盛りへと発展し、中国に渡り清の宮廷料理として花開いたという説がある。御冠船料理(うかんしんりょうり)とは、琉球王朝時代に冊封使を接待するため宮廷で出された宴席料理のことをいうそうだ。

バブル期などには日本でも外国人の接待等に行われていたという話はあるが、日本ではほとんど体験できない“女体盛り”。映画では「ライジング・サン」(93) 、「ナイト・トーキョー・デイ」(09) 、「セックス・アンド・ザ・シティ」(08) 、「厨房で逢いましょう」(06) などの作品に女体盛りのシーンが登場する。寿司盛りだけではなく、クリームやフルーツでケーキ風デコレーションにする場面もあった。ハリウッドなどでは、今でもパーティなどで時々登場するといい、あのブラット・ピットやジョージ・クルーニーも既に体験済みだとか。

そして今回本作で「SUSHI GIRL」を体当たりの演技で臨んだのは、新星女優コートニー・パーム(25)である。裸で横たわり、周りの出来事にも微動だにせず沈黙を守る謎のSUSHI GIRLを演じている。セリフはほとんどないものの、どこか悲しげなその表情、彼女は一体何者なのか…?

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執筆者

Yasuhiro Togawa