『映画は映画だ』『義兄弟』のチャン・フン監督×『JSA』の原作者パク・サンヨン(脚本)が強力タッグを組んだ『高地戦』は韓国の名だたる最優秀作品賞や撮影賞を受賞し、アカデミー賞外国語映画賞の韓国代表に選ばれた。その圧倒的な脚本と映像の力はさることながら、韓国映画界が誇る俳優陣の豪華競演も魅力だ!
主演に、韓国屈指の実力派シン・ハギュン。戦争の化身となってしまう旧友には、美形俳優から大変身を遂げたコ・スが扮する。そして本作で強烈な印象を残したのが、若き大尉役の新星イ・ジェフンだ。

『高地戦』のシン・イリョン大尉は小隊員を生かすために冷徹な判断と敏捷な行動力、リーダーシップを発揮する人物。しかし、ある事件をきっかけに心に深く傷を負い、いつ終わるのかも分からない日常となった戦争で、モルヒネを打ちながら痛みを忘れやり過ごそうとする・・・。幼さの残る外見に大人びた演技を求められ、チャン・フン監督の要請に応じて3回のオーディションの末に大尉役を射止めたイ・ジェフンは、撮影をこう振り返った。

—「肉体的にどんなに大変でも、自分の持つ血気を通じて実際のイ・ジェフンという人間を見せたいと思いました。錚々たる先輩たちが自分の目の前に勢ぞろいしているので怖気づきましたが(笑)。皆がそれぞれ不安や苦痛を抱えていた現場なのに、いつも笑顔で背中を押してくれたので、私も最後まで完走できました。おそらく、自分ひとりだったら途中であきらめていたと思います。」

そして本作で2011年、大鐘賞、青龍映画賞、映評賞など、韓国の主な映画賞で新人賞を獲得、その後
映画『建築学概論』(日本未公開)、ドラマ『ファッション王』で実力派俳優の仲間入りを果たす。
ついに今週末10/27(土)に日本公開だが、韓国の兵役制度により、本日10/25(木)には軍隊に入隊する。
国防の義務を終え、スクリーンに戻ってくる日が待たれるイ・ジェフンだが、本作『高地戦』では体当たりで役に挑んだ、彼の放つ魅力を存分に体験してほしい。

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執筆者

Yasuhiro Togawa