10月20日(土)から28日(日)に開催する第25回東京国際映画祭のコンペティション国際審査委員長に、ロジャー・コーマン氏が決定致しました。

コーマン氏は、60 年近くのキャリアの中で550 以上の作品を製作し、50 以上の作品を監督。2009年「映画と映画人への多大なる貢献」を認められ、映画芸術科学アカデミーからアカデミー名誉賞を授与されたハリウッドでもっとも才能に溢れた影響力のある映画製作者の一人です。また、若手を積極的に起用し、彼の下からはフランシス・フォード・コッポラ、マーティン・スコセッシ、ジェームズ・キャメロンといった数多くの映画監督や、ジャック・ニコルソンら有名俳優が輩出されました。世界にも広く目を向けアカデミー賞受賞作を含むイングマール・ベルイマン、フランソワ・トリュフォー、フェデリコ・フェリーニらの名作を米国配給したことでも有名。黒澤明監督とは『デルス・ウザーラ』の米国公開を手掛けたことから親交が深かったといいます。

TIFF にも大変ゆかりが深い映画人の一人で、1994 年第7 回東京国際映画祭・京都大会でヤングシネマ・コンペティションの審査委員長を務め、当時長編2 作目のガリン・ヌグロホ監督『天使への手紙』にゴールド賞を授与しました。昨年はコーマン氏のドキュメンタリー『コーマン帝国』が特別招待作品として出品され、第25 回という節目の今年、コンペティション審査委員長として東京の地に戻ってきます。

■■ロジャー・コーマン氏からのオフィシャルメッセージ■■
将来を担うであろう優れたフィルムメーカーのささやかな誕生に立ち会うと、明らかな兆候が感じ取れます。そういった若手の映画製作者には、一種の知性と独創性、そして不断の努力が見られます。彼らの成功を見守り、援助するのは爽快なことです。最後に東京を訪れた時、(私の中で)アジアの映画界の全景が明らかになり、また、多くの将来性のある監督の存在に気づかされました。この度、東京国際映画祭の審査委員長として東京を訪れ、新しい才能を見出す興奮を再び体験することのできる幸運に恵まれました。今年は、これまでと同様に、新たなストーリーテラーたちに感銘を受け、刺激されることでしょう。

執筆者

Yasuhiro Togawa