2009年の逮捕以来、現在も自宅軟禁がつづく国際的なイラン人映画監督ジャファル・パナヒの『これは映画ではない』の日本公開が正式決定!!
本作は、自宅軟禁中の2011年3月にパナヒ監督が友人のミルタマスブ監督の協力のもと、自らの生活を自宅で撮影。
限られた空間と時間の中にも関わらず、卓越したユーモアと、黄金期イラン映画を彷彿させる自由でスリリングな映画スタイルで、自らのプロテストをエンターテインメントに昇華した鮮やかな傑作です。

パナヒ監督は完成したその映像をUSBファイルに収め、お菓子の箱に入れ、ある知人のルートで密かに国外へ。そして、昨年2011年 5月のカンヌ国際映画祭でプレミア上映されて大絶賛され、その後も数々の映画祭に招待され、英国の映画専門誌サイト&サウンドのベスト10、 米国のフィルム・コメント誌の「まだ公開されていない映画」ベスト1に輝くなど高く評価されました。
タイトルの『これは映画ではない』は、20年間の映画製作禁止を申し渡されたパナヒ監督の、映画でなければ何を作ろうと違反にならないだろう、という痛烈なブラック・ユーモアを感じさせるアイディア。当局による24時間監視をアート作品に変えてしまった中国のアイ・ウエイ ウェイのように、どんな状況であろうともアーティストは作品づくりをつづけていく、というパナヒ監督の覚悟と逞しさに拍手と喝采を贈 りた くなる「プロテスト・エンターテインメント」の公開を期待してください。

アメリカ公式サイト:http://thisisnotafilm.net/

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執筆者

Yasuhiro Togawa