団地から一歩も出ずに生きると決めて大人になった少年が、孤独や葛藤に苛まれながら成長する姿を描いた、可笑しくも愛おしい感動の物語。少年が「団地で生きていく」と決意した本当の理由とは?そして少年には、団地から出る日が訪れるのか—。
監督は、『アヒルと鴨のコインロッカー』『ゴールデンスランバー』『ちょんまげぷりん』の中村義洋。淡々とした描写の中で心の機微を見事に表現するその高い演出力は、国内外で評価が高く本作でも期待される。主演には中村組の常連で『ポテチ』に続く主演となる濱田岳。変幻自在な演技力と、いつまでも少年のような親しみやすい風貌で映画、ドラマ、CMなど人気と活躍の場を拡大させている若手実力派俳優。本作では13〜30歳までを演じている。原作は第一回パピルス新人賞を受賞した、久保寺健彦の『みなさん、さようなら』。その他、倉科カナ、永山絢斗、波瑠、田中圭、ベンガル、大塚寧々らが出演している。

【キャスティング】
渡会悟(濱田岳)…主人公。小学校卒業とともに、団地から出ずに生活をする。
緒方早紀(倉科カナ)…悟の婚約者。悟の初体験の相手。保育士。
薗田憲明(永山絢斗)…悟の同級生。不登校。ケーキ屋で悟と一緒に働く。
松島有里(波瑠)…悟の部屋の隣に住んでいる幼なじみ。悟の良き理解者。
マリアの義父(田中圭)…悟が気にかけているブラジル人少女マリアの義理の父親。
泰二郎(ベンガル)…団地内にあるケーキ屋の店主。悟の就職先で、師匠。
ヒーさん(大塚寧々)…悟の母。看護士。

【中村義洋監督コメント】
○なぜこの企画(原作)を映画化しようとしたのか
とにかく一気読みでした。
団地から一歩も出ないで生きていくと決めた少年の、狭い世界での大きな冒険譚です。
一人の人間の成長と、いかにして強くなったか、ということ。
17年間という時間の積み重ねでそれを丹念に見せることは、
監督として是非とも一度やっておきたいことだと思えました。

○濱田岳さんを主演に起用した理由
13歳から30歳まで演じられる俳優がそんなにいるとは思えません。
そのまっすぐさ、ひたむきさという意味でも、
僕らの仲間には濱田岳がいるのに、他の俳優を考える理由がどこにあるんだ!
そんな感じでした。

○この作品で伝えたいメッセージ
人はいかにして強くなるのか、そんなところでしょうか。

【濱田岳さんコメント】
○中村監督との「アヒルと鴨のコインロッカー」「フィッシュストーリー」「ゴールデンスランバー」「ポテチ」と、5作目のタッグかと思いますが、今作のオファーを受けた時の感想と、監督との仕事をしてのご感想を教えてください。
中村監督からのお話しなら、悩む理由も無いですし、何より現場が楽しいので、喜んでお返事しました。
やっぱり、楽しくて楽しくて、タイトなスケジュールも全く気になりませんでした。
まっ、いつも通りなんですけどね。

○団地から出ないという悟くんの役作りについて、何かされたこと、印象的なエピソードがありましたら教えてください。
大山倍達のような体型に見える様に、身体を自分なりに鍛えたりしました。
身体をお見せするシーンはないのですが、服が似合わない体型を目指すというか。
印象的なのは、やっぱり、毎日毎日の団地で撮影でした(笑)

○撮影中に大変だったエピソード、面白かったエピソードがありましたら教えてください。
面白い話は、星の数程あるのですが、余りに身内ネタばかりで…(笑)

2012年公開予定

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=49949

執筆者

Yasuhiro Togawa