先に発表された米・アカデミー賞。ウディ・アレン監督の最新作『ミッドナイト・イン・パリ』が9本の作品賞候補の中に名を連らね、合わせて主要4部門(作品賞/監督賞/脚本賞/美術賞)でのノミネートを果たした。
本作は、昨年のカンヌ国際映画祭のオープニングを飾ってから、アメリカをはじめ、封切られた世界各地で大ヒットを記録。ウディ・アレン監督キャリア史上最高額をたたき出す成功を収めている。

これまでアカデミー賞には、24回ノミネート(作品賞・監督賞・脚本賞部門*出演俳優の受賞&ノミネート含まず)され、常連の感があるウディ・アレン監督だが、作品賞と監督賞の2部門にWノミネートされたのは『ハンナとその姉妹(86)』以来、なんとも25年ぶりとは意外だ。御年76歳、監督生活47年目にして最高傑作と呼び声の高い本作を生み出したことにはただただ驚くほかない。

本作は、婚約者(レイチェル・マクアダムス)と共にパリを訪れた作家志望のアメリカ人(オ—ウェン・ウィルソン)が、文化・芸術が花開く1920年代の真夜中のパリにタイムスリップし、サロンに集うヘミングウェイやフィッツジェラルド、ピカソ等の錚々たる芸術家、そしてそのミューズ(マリオン・コティヤール)に遭遇するという、マジカルでファンタジーにあふれるロマンティック・コメディ。

アカデミー賞嫌いとして有名で毎回授賞式には姿を見せないことでも知られており、脚本賞を獲得したゴールデン・グローブ賞授賞式にも姿を現さなかったウディ・アレン。プレゼンターのニコール・キッドマンが冗談めかして、「ウディ、受け取りに来てよ!」と呼びかけたほど。
25年ぶりにWノミネートしてくれたアカデミーに敬意を表し、今回は果たして授賞式に登場するのだろうか!?

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執筆者

Yasuhiro Togawa