現在公開中の青山真治監督4年ぶりとなる長編最新作『東京公園』が、第64回ロカルノ国際映画祭<インターナショナル・コンペティション>部門にて、13日(現地時間)、映画『東京公園』と青山真治監督の卓越した功績を讃えた「金豹賞(グランプリ)審査員特別賞」を受賞する快挙を成し遂げました。本賞は、ロカルノ国際映画祭の最高賞である金豹賞(グランプリ)と並ぶ賞として、審査員の熱い思いから今回特別に設けられたものです。
 
1946年から毎年、スイスで開催されているロカルノ国際映画祭は、ヴェネチア国際映画祭に次ぐ長い歴史を誇る、国際映画製作者連盟(FIAPF)公認の映画祭であり、世界4大映画祭とも称される世界有数の映画祭。毎年、世界各国から20万人を超える人が訪れるが、今年は例年以上の盛り上がりをみせ、ヨーロッパでは開催前から連日報道がなされるなど、大きな注目を集めてきました。
今年も期間中、約300本の作品が上映されましたが、公式の受賞選考対象となるのは<インターナショナル・コンペティション>部門に招待された20作品のみ。青山真治監督作品が、ロカルノ国際映画祭へ参加したのは今年で4回目となりますが、<インターナショナル・コンペティション>部門へ招待されたのは今回が始めて。
9日(現地時間)に行われた『東京公園』の公式上映では、満場の拍手とともに、各国の観客から「人と人の深い心の繋がりを感じる素晴らしい作品」など絶賛を浴びていたが、その賞賛の声におされるかのように今回の受賞につながった。

授賞理由として審査委員長のパウロ・ブランコ氏は「映画『東京公園』という作品の素晴らしさと、青山真治監督のこれまでの功績を讃えたいとの強い思いから、最高賞である金豹賞と並ぶ賞を今回特別に作りました。」とコメントを発表。
これを受けて、青山監督は「『東京公園』という、これまでのキャリアから一歩踏み出すような作品を出品し、温かく迎えて頂きました。今回、これまでのキャリアを含めた形で賞をいただけるとは夢にも思わぬ栄誉です。そして、この受賞が日本再生への一助となることができれば、大変嬉しく思います。」と喜びのコメントを寄せた。

現在、宮城県・フォーラム仙台ほかにて上映されている本作は、今後、青森、岩手、秋田、山形、福島など東北地方をはじめとした各地での上映も決定しています。

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執筆者

Yasuhiro Togawa