5月11日より開催中のカンヌ映画祭最終日となる22日(日本時間23日未明)、各賞の受賞者が発表され、『ツリー・オブ・ライフ』は見事最高賞であるパルムドールを受賞。テレンス・、マリック監督にとっては79年の第32回同映画祭での『天国の日々』での監督賞受賞以来、実に32年ぶりの受賞で最高の栄誉に輝いた。

1973年の監督デビュー以来、監督生活38年にして『ツリー・オブ・ライフ』が僅か5本目の長編となるテレンス・マリック。78年の『天国の日々』ではカンヌ映画祭監督賞、全米批評家協会監督賞、NY批評家協会監督賞を獲得。20年ぶりにメガホンを執った98年の『シン・レッド・ライン』では監督賞と脚色賞の2部門でオスカーにノミネートされた他、ベルリン映画祭グランプリとなる金熊賞、NY批評家協会監督賞を獲得した。今回のコンペティションには、ペドロ・アルモドバル、アキ・カウリスマキ、ラース・フォン・トリアー、さらに日本の三池崇史、河瀬直美ら実績のある多士済々な監督たちの新作が参加。激戦の中、1作ごとに世界の注目を集めるテレンス・マリックに凱歌が上がり、世界の3大映画祭の内、ベルリンとカンヌを制した。

公の場に姿を現さないことで有名なテレンス・マリックは16日の公式上映に続き、この日も姿を現さず、異色の存在であることを不在でアピールした。

『ツリー・オブ・ライフ』は5月27日に全米で公開、8月12日に日本公開される。

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執筆者

Yasuhiro Togawa