耳の聴こえない少女がストリートダンスと出会い、
仲間とともに大会を目指す、
   とびきりピュアな青春ドラマが出来上がった!

 新潟県・魚沼地方をモデルにしたとある地方都市。聾学校に通う耳の不自由な女子中学生は、ひょんなことから聴者の少女たちのストリートダンスチームに参加することになり、仲間との友情やぶつかり合いを通して自らのハンディキャップと向き合いながら、ダンス大会という目標を目指して皆とともに成長していく。

 「聴覚障害」と「ダンス」をモチーフに少女たちの成長を描いた本作の撮影は、2008年の夏に新潟県の魚沼市・南魚沼市・新潟市で行われ、地元のフィルムコミッションによる協力のもと、約500人ものエキストラが参加した。この地を選んだ理由の一つは新潟県が近代聾唖教育の父と呼ばれる小西信八(のぶはち)の出身地であり、過去にヘレンケラーが訪れた長岡聾唖学校があるなど、古くから聾唖教育の伝統を持つ地域としても知られているからである。

 2009年に完成した本作品はアメリカやインドネシアなど各国の映画祭に招待され、数々の賞に輝く。国内では2010年3月に「新潟しゅわる映画祭」、9月に「あいち国際女性映画祭二〇一〇」「第15回長岡アジア映画祭」にて上映されるとじわじわと話題を呼び、資金難による配給ピンチを乗り越えて遂に今年公開にこぎつけた。

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執筆者

Yasuhiro Togawa