松竹は4月14日、山田洋次監督の最新作「東京家族」の製作を延期することを発表。

本作品は当初は4月1日にクランクインをめざして、撮影準備をすすめていましたが、3月11日に発生した東日本大震災の影響により、撮影上の物理的事情、山田洋次監督の意向を受けてクランクイン時期の決定。

山田監督は、「一年以上の歳月をかけて入念に準備を整え、間近なクランクインを控えてスタッフやキャストの気力が充実しきっていた時に、3月11日の大災害が発生しました。
このままそ知らぬ顔で、既に完成している脚本に従って撮影していいのだろうか。いや、もしかして3月11日以前と以後の東京の、あるいは日本の人々の心のありかたは違ってしまうのではないか−−−。ぼくは何日も悩み、会社ともくり返し相談した結果、その時点で脚本を全面的に見直した上で戦後最大の災害を経た東京、つまり2012年の春の東京を舞台にした物語をこそ描くべきだ、と云うことです。
来年、ぼくたちは新たな気力で奮い立てて『東京物語』の制作に挑みます。どうか観客の皆さん、ご期待ください。」とコメントしている。

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執筆者

Yasuhiro Togawa