第61 回ベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞(FIPRESCI prize)とNETPAC 賞(最優秀アジア映画賞)の2冠を獲得、3 月11 日に発表された平成22 年度(第61 回)芸術選奨映画部門で、本作が評価され文部科学大臣賞を瀬々敬久監督が受賞した『ヘヴンズストーリー』が、その受賞を記念して、大阪でアンコール上映されることが決定した。

昨年末より発表された、キネマ旬報ベストテン第3 位、映画芸術ベストテン第1 位、毎日映画コンクール脚本賞受賞、高崎映画祭4 部門(作品賞、主演男優賞(長谷川朝晴)、助演女優賞(山崎ハコ)、新人賞(寉岡萌希)、ベルリン映画祭国際批評家連盟賞&NETPAC 賞といった数々の評価に続き、この度芸術選奨文部科学大臣賞も受賞。震災の影響で授賞式は中止されたが、その受賞は全審査員の推挙により決定し、理由も以下のように発表された。

「瀬々敬久氏の4 時間38 分に及ぶ長時間の大作「ヘヴンズストーリー」は、綿密に構築された脚本、力強い映像によって、見ているうちに映画の描く時の流れに同化して登場人物たちと同じ時間を過ごしている気がしてくることに驚かされる。日本のいまを切り取ったように自然で誇張がないが、そのすべてをわし掴みにして差し出されたような衝撃があることにもまた驚かされる。見て驚き、描かれた人物の行動を通してその驚きが胸にしみる、という映画芸術にふさわしい歓びが味わえたことを高く評価したい。」

『ヘヴンズ ストーリー』は瀬々監督が、「生きること」をリアリティのある身近なものとして考え、どんなことがあっても、自分の人生を生き抜く、現実に立ち向かっていく、という思いで、“救済”の先にあるものを描いている作品。

東京・K’s cinema で1 月に公開された際は、キネマ旬報や映画芸術など国内の各賞での評価により、全回満席と大好評のうちに終了。ベルリン映画祭での2 冠受賞という国際的な評価を得た今、大阪では、前回の公開時に見逃してしまったファンに大いに待たれている。現在新作の撮影中の瀬々監督も、4 月17 日には舞台挨拶に駆けつける予定だ。

なお、4 月以降、大阪でのアンコール上映だけでなく、全国各地での上映も決定している。

■公式HP:http://heavens-story.com

4/16 大阪・第七藝術劇場にて1 週間限定公開!
4/23 シアターセブン(大阪)で引き続き公開
新潟・シネウインド公開中、4/9 シネマ尾道、4/16 静岡シネギャラリー&金沢シネモンド&函館シネマアイリス、4/30 フォルツァ総曲輪、5/7 浜松・シネマイーラ&松山・シネマルナティック他で公開!

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執筆者

Naomi Kanno