アメリカで映画製作を学び、脚本家としてハリウッドでキャリアをスタートさせた中島央監督の初長編にして、日本デビュー作。監督自身をモデルにし、ロサンゼルスで撮影され、アメリカ人キャストとスタッフで製作された全編英語のラブ・ストーリー。2009年の第62回カンヌ映画祭でワールドプレミア上映後、ロサンゼルス・ムービーアワードなど各国の映画祭に招待され、この度、全米公開に先駆け日本での公開が決定した。

 また、公開に合わせて3/22アクセルマーク株式会社から自伝本が電子書籍で配信された。
これからの活躍が期待されている中島監督だが、ここまでたどり着くには数々の困難が待ち受けていた。熱狂的な映画ファンの父親の影響で、子供の頃からハリウッド映画やエイゼンシュテイン、小津や黒沢作品などを浴びるように観て育った同氏は、都立高校をドロップアウトしニュージーランドへ留学。その後、慣れ親しんだ映画に支えられたことがきっかけで映画監督を志し、サンフランシスコ州立大学映画学科に入学。父親の危篤で一時帰国を余儀なくされたが、在学中の監督作品「IN THE APARTMENT」がハリウッドの映画会社からリメイク権をオファーされ、その会社で脚本家としてキャリアをスタートする。同時に脚本コンテストに応募し続け、多くの賞を受賞。しかし映画監督になりたい夢を諦めきれず、生活苦ながらも自力でプロデューサーを探し、ハリウッドで短篇映画を完成。これを足掛かりに、遂に長編映画『Lily』を完成させる。苦労と不運の連続に見舞われながらも、「悔しかったら、映画の一本でも撮ってみろ!」と言い放った母親の言葉を糧に、あきらめないで行動する気持ちを持ち続けた結果、ハリウッドで遂に映画監督デビューを果たした軌跡が描かれている。同時にハリウッドでの映画製作の裏側なども覗け、多くの人が楽しめる書籍となっている。

ロストジェネレーション世代の中島監督の活躍は、長引く不況で皆が下を向いて歩いている日本に、新たな希望を与えてくれる。既に2012年発表予定の日米合作SFラブ・ストーリー、“ARCADE DECADE” (邦題:「アーケード・ディケード」)の製作準備に着手しているという彼の才能を、誰よりも早くチェックしよう!

■料金 450円(税込み)
配信記念キャンペーンとして、2011年3月22日(火)から4月5日(火)まで、230円(税込み)で提供
■ 電子書籍の購入方法
〈iPad及びiPhone向け〉
URL:http://itunes.apple.com/jp/app/id426007834

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=49129

執筆者

Naomi Kanno