2月28日(日本時間)に発表された第83回アカデミー賞にて、『ザ・ファイター』が助演男優賞(クリスチャン・ベール)/助演女優賞(メリッサ・レオ)の計2部門受賞の快挙となりました!また、受賞結果を受けてポスタービジュアルが一新されました。

今回のアカデミー賞助演俳優部門のW受賞はウディ・アレン監督の「ハンナとその姉妹」(86)以来24年ぶりとなりますが、実は製作段階においてはキャスティングが一筋縄ではいかないものでした。当初クリスチャン・ベールが演じた兄ディッキー役を予定していたのはマット・デイモンでしたがスケジュールが合わず降板し、次の候補にあがったブラッド・ピットもまた、『イングロリアス・バスターズ』への出演により降板。最終的にようやく決まったのがクリスチャン・ベールでした。また、キャスティングが難航していたのは監督も同様で当初は『ブラック・スワン』のダーレン・アロノフスキーで決まっていたものの『レスラー』の監督が撮ることが決まり降板。(企画途中まで関わっていた彼は、本作の製作総指揮に名前を連ねています。)主演であり製作も兼ねているマークと3度目のタッグとなるデヴィッド・O・ラッセルがメガホンをとることになりました。
このように俳優および監督キャスティングの紆余曲折を経たものの、結果的に役者陣の演技合戦を充分に堪能できる作品となり、今回のすばらしい受賞結果へとつながったと言えます。
なお、今回の新ポスターは今週末5日(土)より全国劇場にて掲示されます。

<マーク・ウォルバーグ「ザ・ファイター」インタビュ− 2/27/2011>

Q:ブラッド・ピットが出演すると決まったこともあったのに、それでもダメになりましたよね?良い話なのに、何が問題だったんでしょう?

どうして彼らがこれをやりたくないのか理解できなくて、フラストレーションがたまったさ。作るのが大変なのはわかっているけど、努力は最後にむくわれるはずだと思っていたし。ブラッドやマット(・デイモン)に対して、どうして出演を辞めたのか、個人的に聞いたことはない。だけど、その理由でやめようと僕は思わなかった。そして最終的に、僕は最高のキャストを見つけ、最高のバージョンの映画を作ることができたんだ。スケールは縮小したけれど、だからこそこの映画には生々しさがある。汚れていて、現実的。そしてハートがある。予算の規模は小さくてもね。

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執筆者

Naomi Kanno