話芸の神様・徳川夢声。独特の語り口で人気を集め、無声映画の弁士として一世を風靡しました。トーキー登場後は漫談・俳優業に進出、戦後は更に活動の場を広げ、ラジオやテレビの他、文筆業、司会業と元祖マルチ・タレントとして大活躍。没後30年を迎える今年、著作が復刊するなど再評価の気運が高まっています。
 夏目漱石の著名作を映画化した『吾輩は猫である』では迷亭先生に扮し、蕎麦の模範的食し方を披露するなど、軽妙洒脱に演じています。その他、仙人役を好演した『ノンちゃん雲にのる』や夢声自身想い出深い作品と語る『虎彦龍彦』、ナレーションを担当した水原爆のドキュメンタリー『世界は恐怖する 死の灰の正体』など、出演作22本を一挙上映いたします。
 「彼氏」や「恐妻家」の言葉を作った流行の発端者でもある稀代のユーモリスト・徳川夢声。多岐に渡る氏の活躍をどうぞご堪能ください。

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特集上映『元祖マルチ・タレント 徳川夢声のほろよひ映画人生』 

開催期間:2011年1月9日(日)〜2011年2月12日(土)
     
開催場所:ラピュタ阿佐ケ谷
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上映作品:
『手をつなぐ子等』(1948) /『春の戯れ』(1949) /『昨日消えた男』(1941)
『爆笑水戸黄門漫遊記』(1959) /『音楽喜劇 ほろよひ人生』(1933) /『スラバヤ殿下』(1955)
『吾輩は猫である』(1936) /『孫悟空 前后篇』(1940) /『はたらく一家』(1939)
『流れる星は生きている』(1949) /『女性に関する十二章』(1954) /『続 社長三代記』(1958)
『孫悟空』(1959) /『世界は恐怖する 死の灰の正体』(1957) /『敵は幾万ありとても』(1944)
『「可否道」より なんじゃもんじゃ』(1963) /『彦六大いに笑ふ』(1936) /『西遊記』(1952)
『ノンちゃん雲に乗る』(1955)

※東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品
『綴方教室』(1938) /『坊っちゃん』(1935) /『虎彦龍彦』(1943)

入場料金:一般…1,200円、シニア・学生…1,000円、会員…800円、3回券…2,700円
※水曜サービスデー…1,000円均一

特集サイト:http://www.laputa-jp.com/laputa/program/tokugawamusei/

執筆者

Naomi KannoNaomi Kanno