映画『キラー・インサイド・ミー』が2011年4月16日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国公開される運びとなりました。
本作はアメリカを代表するノワール小説の帝王、ジム・トンプスンの「おれの中の殺し屋」を、アンジェリーナ・ジョリー主演作『マイティ・ハート/愛と絆』のマイケル・ウィンターボトム監督が映像化した衝撃作です。主演は、『オーシャンズ13』から『ジェシー・ジェームズの暗殺』までジャンルを問わない活躍を見せ近年では監督業にも進出しているケイシー・アフレック。自らの内に殺意を秘めた主人公ルーを怪演しています。さらに、ルーをひたすら愛し身を捧げる恋人を『NINE』のケイト・ハドソン、『バレンタインデー』『ファンタスティックフォー』で健康的な魅力をふりまくも、本作では主人公が一瞬で愛に堕ち、変貌を遂げるトリガーとなる娼婦をジェシカ・アルバが演じています。

ジム・トンプスン(1906-1977)
職業を転々としながら作家活動をつづけ、42年に初長編を出版。49年に犯罪小説に転じ、その後、ペイパーバック・オリジナルを書きとばす。50年代なかば、S・キューブリック監督は「キラー・インサイド・ミー」を読み、自身の映画製作スタッフとしてトンプスンを招致。作品がすべて絶版の状態で、77年に死去。死後、ようやく作品の再評価がはじまった。映画『ゲッタウェイ』(73)『グリフターズ/詐欺師たち』(90)等の原作者でもある。「おれの中の殺し屋」の解説には現代を代表するミステリー作家スティーブン・キングが寄稿している。

【ストーリー】
田舎町の保安官助手ルー・フォードは、物腰が柔らかくて愛想がいいと評判の青年だ。長年連れ添っている町一番の美人教師エイミーとの恋愛も順調である。しかしある日、取締りの一環で出会った娼婦ジョイスとの激しいセックスが引き金となり、20年間眠っていた悪魔のような衝動が目をさました。過去の復讐も絡まり、ルーが次々と引き起こす怪事件。思いもよらぬ切り札を用意した捜査チームに追い詰められるルーの歪曲した自己破壊が今、始まる——

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執筆者

Naomi Kanno