イメージフォーラム・フェスティバル2003の一般公募部門大賞を17歳で受賞した佐々木友輔。
ゼロ年代を生きる作家が獲得したあたらしい風景の捕え方。

いやになるほど見慣れた風景には、コミュニティの黒い話題が、古くから伝わる地霊が、
web上のリンクが見えない層を成している。
景色の中に生きるという事は、予め拡張された現実を生きる事なのだ。
佐々木友輔の映画には儚さと不気味さの一瞬の同居がある。
無理やり言えば「イタコからのretweet」のような映画。

澤隆志 (イメージフォーラム・ディレクター)

★トークイベント開催決定
18日ゲスト:若林幹夫(社会学者)
19日ゲスト:宮台真司(社会学者)

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■上映情報
□開催日:2010年12月18日(土)、19日(日)
□料金:当日700円/イメージフォーラム会員500円
□会場:イメージフォーラム・シネマテーク
□企画:イメージフォーラム(http://www.imageforum.co.jp/
□ウェブサイト:http://qspds996.com/movie/kasanegafuchi/

□上映作品
『新景カサネガフチ』DV/2010
『彁 ghosts ver.4』DV/2010

□タイムテーブル
14:00ー『彁 ghosts ver.4』上映(130分)
17:00ートークイベント(ゲスト 18日:若林幹夫、19日:宮台真司)
18:00ー『新景カサネガフチ』上映(67分)

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『新景カサネガフチ』

メディア:DV/制作年:2010年/時間:67分
朗読:菊地裕貴/出演:石塚つばさ/音楽:田中文久/ロゴデザイン:藤本涼

2011年、関東鉄道常総線に新しい駅ができて、その土地の名前も「ゆめみ野」に変わった。ゆめみ野の誕生と時を同じくして結婚し、街のめまぐるしい変化に寄り添って暮らしてきた一組の夫婦は、ある出来事をきっかけにして、街の歴史と夫婦の時間を、交差させ、かさね合わせるようにしながら追憶していく。そこに浮かび上がってくるのは、いつか夢に見た景色—累(かさね)伝説発祥の地、累ヶ淵。
『夢ばかり、眠りはない』に続く、「風景」映画最新作。

予告編
http://www.youtube.com/watch?v=83gBtHC3aCE
http://www.youtube.com/watch?v=eVBS7XPv5f0

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『彁 ghosts ver.4』

メディア:DV/制作年:2010年/時間:130分

制作協力:石塚つばさ/出演:後藤怜亜、小林千花、田代未来子、豊永純子、松岡詩美、大西健太郎、北澤理恵/美術:安藤瑠美、鈴木慧佳、森田舞、宮澤ほのか、藤本涼、野口蓉子、佐橋景介、小林あずさ、清野仁美/協力:石塚裕大、石橋真珠、菅谷章乃、齊藤直子、野上萌子、大野麻衣、伯耆田卓助、香取武、豊島克己、高山登、ペ☆ヤング/音楽:田中文久、Swallow Heads、アイバンドウ、NeXeyo、山川冬樹

国道6号沿いの廃墟に残されていたminiDVカセットテープ、そこに映っていた青い服の女。物語の主人公は、そこに残された映像を頼りに、彼女の見た景色を辿る旅に出る——。
この世に溢れる無数の映像を出会わせ、結び合わせ、一枚のディスクに刻み込むことで、他の誰でもない新しいひとつの人格=幽霊を生み出すための映画実験。『新景カサネガフチ』、『夢ばかり、眠りはない』の原型であり、佐々木友輔の見たゼロ年代映像環境の総決算。

監督:佐々木友輔(ささきゆうすけ)
1985年神戸生まれの映像作家。高校時代に制作した映画『手紙』でイメージフォーラムフェスティバル2003の一般公募部門大賞を受賞。その後は映像表現を中心に、アートプロジェクトや舞台芸術など様々な領域を横断して活動している。2010年には、秋葉原の通り魔事件を題材にした映画『夢ばかり、眠りはない』を制作、大きな評判を呼ぶ。
主な上映・展示に、バンクーバー国際映画祭、ロッテルダム国際映画祭、ロンドン映画祭、平山郁夫賞 受賞顕彰展 「デジャメーヴユ 既/未視感」など。現在、東京芸術大学大学院 博士後期課程 在籍中。

ウェブサイト http://qspds996.com

執筆者

Naomi KannoNaomi Kanno