12月3日に全米公開されるダーレン・アロノフスキー監督最新作『ブラック・スワン』(原題)が、この度発表された第26回インディペンデント・スピリット・アワードにて<作品賞・監督賞・主演女優賞・撮影賞の4部門にノミネート>されました! ヴェネチア映画祭のオープニング上映後、世界中のメディアから絶賛を受けている本作。中でもプリマを争うバレリーナの精神的苦悩、善と悪の二面性を見事に演じ切った主演のナタリー・ポートマンには、早くもアカデミー賞主演女優賞ノミネートとの声も上がっており、今回のノミネートで今後の賞レースの目玉として更なる注目を集めることは必至です。

主演のバレリーナ、ニナを演じたナタリー・ポートマンは、13歳までバレエを習っていたが、演劇に集中するためにバレエを断念した。ダンサーがどれだけ自分の体を酷使するかを身をもって知っていたナタリーだが、「あそこまで肉体を酷使するのは初めてだったわ。今回は15年のブランクを経てのバレエ復帰だったので大変だった。撮影開始の1年前からトレーニングを始めたのだけれど、撮影中もトレーニングを続行しなければならなかった。撮影は1日15〜16時間くらいかかったし、その前後にはトレーニングの時間をとらなければならなかった。とてもきつかったわ。アロノフスキー監督の作品に出演を決めた時、大変なことになるだろうと覚悟は決めていた。でも、チャレンジは好きだし、自分を追い込むのも嫌いではないの」
ナタリーは、この役作りに没頭し、プロのダンサーと話をし、バレエの本を読み、短時間で過酷なメニューをこなすレッスンも乗り越えた。
「仕事ではいつも、怖いものにはあえて挑戦するように心がけている。自分にとってはチャレンジとなるからね。でも、(この作品に関しては)あんなに大変なことになるとは予想していなかった。それでも素晴らしかったわ。ありふれた言い方かもしれないけれど、力を注ぎこめば、注ぎ込むほど、見返りも大きいの。本当にそう。だから私にとっては素晴らしい経験となったわ。」

撮影後には体を休めるために休暇をとらなければならなかったほど打ち込んだナタリー・ポートマンの迫真の演技、芸術的なまでに美しい映像、そしてキャストが全キャリアの中で最高の演技をみせているダーレン・アロノフスキー監督の演出力の高さ。全ての部門で受賞が予想される。

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執筆者

Yasuhiro Togawa