今回で5回目のシーズンとなる、METライブビューイングは、11月より2010−2011シーズンがスタートしました。最初の上映となった《ラインの黄金》は、奇才ロベール・ルパージュの演出で注目されていましたが、初日には、入場者の列が切れない程、多くの方々にご来場いただき、2作目の《ボリス・ゴドゥノフ》の上映となっています。
この企画は、2011年6月までの12作目まで続きます。どうぞ、ご紹介ご検討ください。2011年は、ニューヨークよりメトロポリタンオペラの来日公演も行われます。
●解説
『METライブビューイング』は、オペラの殿堂、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場(MET)で上演された最新オペラ公演を、高画質のHD映像と5.1Chサラウンドのダイナミックな音響により、生の舞台そのままの魅力でスクリーンに上映します。世界44カ国、1,200以上もの映画館で上映され、普段見られない舞台裏や歌手へのインタビューなどの特典映像も充実しています。欧米では同時中継され、日本では字幕作業を経てわずか数週後に上映します。

2010-2011シーズンでは、全世界が注目する、METの威信をかけて制作される 〈ニーベルングの指環〉の《ラインの黄金》(第1作)と《ワルキューレ》(第2作)も上映されます。「シルク・ドゥ・ソレイユ」等で知られる気鋭の演出家ロベール・ルパージュが手掛ける新演出の為に、何と45トンものセットが用意され、しかもそのセットを支える為に舞台の補強工事まで行ったというまさにMET史上最大の挑戦であり、好評を博しました。

2011年にMETデビュー40周年を迎える音楽監督ジェイムズ・レヴァインと豪華な客演指揮者たち、そしてトップ歌手たちの夢の競演! 全世界が注目する、必見の演目が続きます。

【上映作品】
第1作 ワーグナー〈ニーベルングの指環 序夜〉《ラインの黄金》 新演出 上映終了
指揮:ジェイムズ・レヴァイン 演出:ロベール・ルパージュ
出演:ブリン・ターフェル、ステファニー・ブライズ、リチャード・クロフト、ウェンディ・ブリン・ハーマー
MET上演日 2010年10月9日 上映時間 2時間59分(休憩なし)
上映期間 11月6日(土)〜11月12日(金)

第2作 ムソルグスキー《ボリス・ゴドゥノフ》 新演出 上映中
指揮:ワレリー・ゲルギエフ 演出:スティーヴン・ワズワース
出演:ルネ・パーペ、エカテリーナ・セメンチュック、アレクサンドルス・アントネンコ
MET上演日 2010年10月23日 上映時間 5時間10分(休憩2回)
上映期間 11月13日(土)〜11月19日(金)※一部劇場は18日(木)で終了

第3作 ドニゼッティ《ドン・パスクワーレ》 ★次回上映作品
指揮:ジェイムズ・レヴァイン 演出:オットー・シェンク
出演:アンナ・ネトレプコ、マシュー・ポレンザーニ、マリウシュ・クヴィエチェン、ジョン・デル・カルロ
MET上演日 2010年11月13日 上映時間 3時間14分(休憩1回)
上映期間 12月4日(土)〜12月10日(金)
ドニゼッティ晩年の上質な喜劇を、J.デル=カルロ、A.ネトレプコら、声良し芝居良しの名歌手たちが愉快に歌い上げる。J.レヴァイン指揮、O.シェンク演出の万全な舞台で味わう人間賛歌。

【あらすじ】
所はローマ。大金持ちの老人ドン・パスクワーレは花嫁募集中。友人の医者マラテスタが美人の妹を紹介してくれるという話に上機嫌だ。一方、甥のエルネストは財産を譲り受けて愛するノリーナと結婚しようとしていることを反対され、逆にパスクワーレが、マラテスタの妹がノリーナとは知らずに結婚しようとしていると聞いて仰天、悲嘆にくれる。そのことをエルネストからの手紙で知ったノリーナは兄と相談。彼は妹を淑女に仕立てて偽の結婚をさせ、パスクワーレを我がまま放題振り回して結婚をメチャクチャにする計画を開始する!パスクワーレのもとに現れるノリーナを見て慌てるエルネストだが、老人をあの手この手で困らせるノリーナの芝居を見て状況を飲み込み、事はエスカレート。さあ、結末やいかに?
「ランメルモールのルチア」の悲劇とは正反対、同じ作曲家が最晩年に残したイタリア・オペラ・ブッファ(喜劇オペラ)の傑作だ。愉快な音楽にのせて、選り抜きの歌手たちが軽快な技巧で声を転がしていく。

第4作 ヴェルディ《ドン・カルロ》 伊語5幕版 新演出
指揮:ヤニック・ネゼ=セガン 演出:ニコラス・ハイトナー
出演:ロベルト・アラーニャ、マリーナ・ポプラフスカヤ、サイモン・キーンリーサイド、フェルッチオ・フルラネット、アンナ・スミルノヴァ
MET上演日 2010年12月11日 上映時間 4時間47分(休憩2回)
上映期間 1月8日(土)〜1月14日(金)

第5作 プッチーニ《西部の娘》
指揮:ニコラ・ルイゾッティ 演出:ジャンカルロ・デル・モナコ
出演:デボラ・ヴォイト、マルチェッロ・ジョルダーニ、ユーハ・ウーシタロ
MET上演日 2011年1月8日 上映時間 3時間36分(休憩2回)
上映期間 1月29日(土)〜2月4日(金) <ミッドランドスクエアシネマのみ2月19日(土)〜2月25日(金)>

第6作 アダムズ《ニクソン・イン・チャイナ》 MET初演
指揮:ジョン・アダムズ 演出:ピーター・セラーズ
出演:ジェイムズ・マッダレーナ、キャスリーン・キム、ジャニス・ケリー、ロバート・ブルーベイカー、ラッセル・ブローン、リチャード・ポール・フィンク
MET上演日 2011年2月12日 上映時間 3時間56分(休憩2回)
上映期間 2月26日(土)〜3月4日(金)

第7作 グルック《タウリスのイフィゲニア》
指揮:パトリック・サマーズ 演出:スティーヴン・ワズワース
出演:プラシド・ドミンゴ、スーザン・グラハム、ポール・グローヴス
MET上演日 2011年2月26日 上映時間 2時間47分(休憩1回)
上映期間 3月19日(土)〜3月25日(金)<札幌シネマフロンティアのみ4月2日(土)〜4月8日(金)>

第8作 ドニゼッティ《ランメルモールのルチア》
指揮:パトリック・サマーズ 演出:メアリー・ジマーマン
出演:ナタリー・デセイ、ジョセフ・カレーヤ、ルドヴィック・テジール
MET上演日 2011年3月19日 上映時間 4時間4分(休憩2回)
上映期間 4月9日(土)〜4月15日(金)

第9作 ロッシーニ《オリー伯爵》 新演出
指揮:マウリツィオ・ベニーニ 演出:バートレット・シャー
出演:ファン・ディエゴ・フローレス、ディアナ・ダムラウ、ジョイス・ディドナート、ステファン・デグー
MET上演日 2011年4月9日 上映時間 3時間8分(休憩1回)
上映期間 5月7日(土)〜5月13日(金)

第10作 R.シュトラウス《カプリッチョ》
指揮:アンドリュー・デイヴィス 演出:ジョン・コックス
出演:ルネ・フレミング、サラ・コノリー、ジョセフ・カイザー、ラッセル・ブローン
MET上演日 2011年4月23日 上映時間 2時間46分(休憩なし)
上映期間 5月14日(土)〜5月20日(金)※一部劇場は19日(木)で終了

第11作 ヴェルディ《イル・トロヴァトーレ》
指揮:ジェイムズ・レヴァイン 演出:デイヴィッド・マクヴィカー
出演:マルセロ・アルヴァレス、ディミトリ・ホヴォロストフスキー、ソンドラ・ラドヴァノフスキー、ドローラ・ザジック
MET上演日 2011年4月30日 上映時間 3時間16分(休憩1回)
上映期間 5月28日(土)〜6月3日(金)

第12作 ワーグナー〈ニーベルングの指環 第1夜〉《ワルキューレ》 新演出
指揮:ジェイムズ・レヴァイン 演出:ロベール・ルパージュ
出演:ヨナス・カウフマン、ブリン・ターフェル、デボラ・ヴォイト、ステファニー・ブライズ、エヴァ=マリア・ヴェストブルック
MET上演日 2011年5月14日 上映時間 5時間20分(休憩2回)
上映期間 6月11日(土)〜6月17日(金)

※すべて日本語字幕付き ※上映時間はすべて予定です。 ※キャストおよび作品、スケジュールは余儀なく変更されることがございます。

●料金体系
◆第1作〜11作〈1作品〉 3,500円(税込) ◆第12作 《ワルキューレ》 のみ 5,000円(税込)
◆お得な特別鑑賞券3枚セット 9,000円(税込)1回鑑賞券3枚つづり 
  各上映劇場にて発売中
  ※今シーズンよりご購入当日にはご利用いただけません。第12作《ワルキューレ》にはご利用いただけません。数量限定
 ◆リピーター割引
劇場窓口購入に限り、METライブビューイング2010-2011シーズン鑑賞済み座席指定券半券提示で300円割引。半券1枚につきお一人様1回限り有効。第2作〜12作まで、全ての作品でご利用いただけます。

関連作品

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執筆者

Yasuhiro Togawa