大阪アジアン映画祭2011 プレイベント
OSAKA ASIAN FILM FESTIVAL 2011 pre-event
アジアン 昨日、今日、明日
大阪アジアン映画祭2009・2010セレクション上映と、グル・ダット&キム・テシク特集

名称:大阪アジアン映画祭2011 プレイベント「アジアン 昨日、今日、明日」
日程:2010年12月4日(土)〜12日(日)
会場:大阪歴史博物館、シネ・ヌーヴォ
主催:大阪アジアン映画祭実行委員会
共催:大阪歴史博物館(グル・ダット&キム・テシク特集)、大阪大学大学院言語文化研究科(映画字幕翻訳講座)
協賛:パナソニック、銀座さくらや
協力:FILM LINE、MUSIC ON! TV Inc.、アテネ・フランセ文化センター、アナコット、イメージ・フォーラム、韓国映画振興委員会、国際交流基金、コミュニティシネマセンター、日活、シネ・ヌーヴォ、プラネット・スタジオ・プラス・ワン
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特集イベント グル・ダットとキム・テシク
日程:12月11日(土)・12日(日) 会場:大阪歴史博物館

●12月11日(土) グル・ダット監督特集
1950年代、インド映画の黄金時代を疾走し、監督のほか出演・製作もこなしてスターの座に君臨しながら、1964年に39歳の若さで自ら命を絶ったインド映画伝説の名匠グル・ダット。衝撃のデビュー作『賭け』(1951年)、運命の女神ともいうべき名女優ワヒーダー・ラフマーンをヒロインに迎え、ユーモアとペシミズムが交差する最高傑作『渇き』(1957年)の2作品と、ミルクマン斉藤さんによるトークショーを開催します。

『賭け』BAAZI
1951年/インド/モノクロ/137分/35mm 監督:グル・ダット
◎失業中の運転手マダンは、実は凄腕のギャンブラー。妹の治療費を稼ぐため悪の道に踏み込むが、そこには思いがけない罠が待ち受けていた。暗黒街に甘い歌声が響く、ダットの記念すべき処女作。ノワール映画の体裁をとりつつ、階層社会の矛盾を暴いた作品。

『渇き』PYAASA
1957年/インド/モノクロ/145分/35mm 監督:グル・ダット/出演:グル・ダット、ワヒーダー・ラフマーン
◎売れない詩人ヴィジャイの詩を気に入ってくれるのは娼婦のグラーブだけ。自暴自棄になったヴィジャイは、ふとしたことから鉄道事故に巻き込まれ、発売された遺稿詩集はベストセラーになるが…。グル・ダットの最高傑作。「グル・ダットは天才であり、『渇き』は傑作である。この歌謡映画を見て背筋に震えが走らなければ、あなたは映画とは無縁の存在だ。涙ひとつ流さず全篇を見終えることのできる人は、抒情の何たるかを知らない」(蓮實重彦)

【グル・ダット監督プロフィール】Guru Dutt
1925年7月9日バンガロール生まれ。カルカッタで教育を受け、ウダイ・シャンカルの舞踊学校で2年間学ぶ。その後プネーのプラバート映画社に行き、1946年振付け師として映画界入り。俳優及び助監督を経て1951年『賭け』で監督デビュー。以後俳優兼監督兼プロデューサーとして数々の名作を発表。1953年当時人気のあったプレイバック・シンガー、ギーター・ラーイと結婚。1964年自ら命を絶つ。

トークショー:ミルクマン斉藤さん(映画評論家)
1963年、京都市生まれ。映画評論家。グラフィック・デザイン集団 groovisionsの、唯一デザインしないメンバー。日本のクラブ・シーンにおけるVJのさきがけでもあり、「ピチカート・ファイヴ」のステージ・ヴィジュアルを8年間手掛ける。映画は、執筆活動やトークショー、中平康特集や鈴木清順特集なども手掛けている。大阪在住。

●12月11日(土) キム・テシク監督特集
今年3月、大阪アジアン映画祭2010のクロージング作品は『東京タクシー』だった。国境をタクシーで軽々と越える主人公たち。しかし、日本と韓国という隣人でありながら話す言葉は片言の英語…!? ユーモアたっぷりに描きながら友好と苦難の歴史を併せ持つ日韓関係を鮮やかに切り取るキム・テシク監督の手腕の確かさ! そんなキム監督の次回作は、韓国からタクシーで大阪にやってくる奇想天外ロード・ムービー。この『ウエルカム・タクシー』の企画を大いに応援したい。キム監督の前作『妻の愛人に会う』と彼が助監督を務めた本格的な日韓合作映画『家族シネマ』、それに『東京タクシー』を上映しながら、キム監督に新作の思いなどを語っていただきます(聞き手:暉峻創三〔大阪アジアン映画祭プログラミング・ディレクター〕)。

『東京タクシー ディレクターズ・カット版』Tokyo Taxi
2009年/韓国・日本/76分/提供:MUSIC ON! TV、SPEEDSTAR RECORDS
監督:キム・テシク 出演:山田将司(THE BACK HORN)、山崎一、ユ・ハナ、キム・ジョンハ
◎売れないロックバンドをやっている青年が、韓国で開催されるロックフェスの出演依頼を受ける。しかし、彼は飛行機恐怖症。困り果てた彼は、なんとタクシーで韓国のソウルに向かうことに。中年のタクシードライバーを巻き込んで、東京、釜山、ソウルと、国境を越えてジャパン・タクシーが疾走する! 日本に留学体験のあるキム・テシク監督による、驚きと笑い、切なさに溢れた新感覚ロードムービー!

『妻の愛人に会う』Driving with My Wife’s Lover
2007年/韓国/カラー/92分/協力:韓国映画振興委員会、イメージフォーラム
監督:キム・テシク 出演:パク・クァンジョン、チョン・ボソク、チョ・ウンジ
◎妻の不倫を知った主人公が、不倫相手が運転するタクシーに乗り込み、奇妙な珍道中を繰り広げるシュール&シニカルな傑作ブラック・コメディ。先の読めない展開と、コミカルなシーンで楽しませるとともに、人生に対する深い洞察がちりばめられたキム監督のデビュー作。

『家族シネマ』Kazoku Cinema
1998年/韓国・日本/113分
監督:パク・チョルス/原作:柳美里/助監督:キム・テシク/出演:柳愛里、梁石日、伊佐山ひろ子、金守珍
◎芥川賞を受賞した柳美里の同名小説を映画化。「家族」がテーマの映画に出演することになった一家。20年ぶりに一堂に会した親子は実は様々な問題を抱えていた……。現代社会に生きる家族の姿を時に冷徹に、時に暖かく見つめる異色作。日本文化解禁にあたり、韓国人スタッフによる“日本語の映画”第1作として製作され、大きな話題となった。日本語が話せるキム・テシク監督が大車輪の活躍。

★キム・テシク監督トークショー開催
【キム・テシク監督 プロフィール】Kim Tai-sik
1959年ソウル生まれ。1980年ソウル芸術大学映画学科在学中に日本へ留学。日本映画学校で学んだ後、1986年よりTVやCFのディレクターとして日本、オーストラリア、香港でキャリアを積む。パク・チョルス監督『家族シネマ』の助監督を務めた事をきっかけに映画界入り。初の長編監督作『妻の愛人に会う』が内外の映画祭で高い評価を受ける。続く『東京タクシー』とタクシーを舞台にした作品を連発する監督の次回作は、プサンから大阪にタクシーでやってくる『ウエルカム・タクシー』! 来年の撮影を予定している。

トークショー聞き手:暉峻創三さん(映画評論家、大阪アジアン映画祭プログラミング・ディレクター)
(てるおか・そうぞう)1961年、東京生まれ。80年代後半からアジア映画に特に焦点を当て、批評・紹介活動を展開。キネマ旬報、ぴあなどで執筆する。2002年、東京国際映画祭に「アジアの風」部門が設立されると共にプログラム・ディレクターに就任。同部門を作品数・観客数ともに東京国際映画祭最大の部門に育て上げた。大阪アジアン映画祭2009より、同映画祭プログラミング・ディレクターに就任。「大阪発。日本全国、そしてアジアへ」をキャッチフレーズに、大阪をアジア映画の拠点とすべく邁進中。著書に「香港電影世界」(97)他。

スケジュール
12/11(土)グル・ダット監督特集
10:50 『賭け』
13:07終了
13:40  トークショー
14:20 『渇き』
16:45終了

12/12(日)キム・テシク監督特集
10:30 『家族シネマ』
12:23終了
(休憩33分)
13:00 『妻の愛人に会う』
14:32終了
14:50  トークショー
15:30 『東京タクシー』
16:46終了

会場:大阪歴史博物館4階講堂
   地下鉄谷町線・中央線「谷町四丁目駅」9号出口前、NHK大阪放送局隣 TEL.06-6946-5728
料金:前売1000円 ◎チケットは1日券です。入れ替えはありません
※前売券は、チケットぴあ、セブンイレブン、サークルKサンクス(Pコード:462-380)、他にて好評発売中!!
当日券 一般1200円、学生・シニア(60歳以上)1000円、高校生以下600円

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大阪アジアン映画祭2009・2010 セレクション上映
日程:12月4日(土)〜11日(土) 会場:シネ・ヌーヴォ

『ゴーン・ショッピング!』Gone Shopping
2007年/シンガポール/カラー/97分/デジタル
監督:ウィー・リーリン 出演:キム・ウン、アラン・カオ、ソニア・ネール、エイドリアン・パン
◎シンガポール期待の女性監督ウィー・リーリンの長編デビュー作。ショッピングセンターで暮らすことになった女性のさまざまな人々との出会いを通して、愛や喪失感を描いたシンガポールのアラフォー物語!
■大阪アジアン映画祭2009上映作品

『サイアム・スクエア』Love of Siam (日本公開タイトル「ミウの歌?Love of Siam」)
2007年/タイ/カラー/158分/デジタル/配給アナコット
監督:チューキアット・サックウィーラクン 出演:マリオー・マウロー、ウィチャウィシット・ヒランウォンクン
◎若者が集うバンコクの繁華街「サイアム・スクエア」を舞台に少年同士の友情と自分探しを描いた青春映画。『チョコレート・ファイター』の脚本家でもあるサックウィーラクン監督が、実体験を基に演出。音楽も手掛け、大ヒット。大阪でもお客様の強い支持を得て、観客賞を受賞。なお、この繁華街は、今年5月のタイ政変で多大な被害を受けた。
■大阪アジアン映画祭2009上映/観客賞受賞作品

『100』100
2008年/フィリピン/カラー/117分/デジタル
監督・脚本:クリス・マルティネス 出演:マイリーン・ディソン、ユージン・ドミンゴ、テシー・トマス
◎がんを患ったシングル・キャリアウーマンの「死ぬまでにする100のこと」を描き、釜山国際映画祭で絶賛された感動作。彼女の行動を通して、勇気と人生の喜びを感じさせてくれるフィリピン版『最高の人生の見つけ方』。2008年釜山国際映画祭観客賞受賞
■大阪アジアン映画祭2009上映作品

『見捨てられた青春』Squalor
2009年/フィリピン/カラー/91分/デジタル
監督:ジュゼッペ・ベード・サンペドロ 出演:デニス・トリロ、シド・ルセロ、アーノルド・レイエス
◎結婚詐欺師、身重の妻を持つ夫など4人の若者たちの夢と絶望、そして恋する想いがマニラの吹き溜まりのような一角で交錯していく、フィリピン版『恋する惑星』。大胆なカメラワークと、エッジーでメロウな音楽、そしてイケメン男子たちのタフな生きざまが観客の魂を鷲づかみに。
第14回釜山国際映画祭コンペ部門スペシャルメンション受賞
■大阪アジアン映画祭2010上映作品

『KJ 音楽人生』KJ: Music and Life
2009年/香港/カラー/90分/デジタル
監督:チョン・キンワイ(張経緯) 出演:KJ
◎神童KJは、その天才的音楽センスで11歳にしてピアノコンクールで優勝する。だが彼も成長するに従い、普通の人間としての逡巡や親との関係などの悩みに直面するのだった……。アン・ホイ監督の愛弟子チョン・キンワイの長編デビュー作。映画祭では賛否両論の評価を生み出した問題作。2010年香港電影評論学会大賞グランプリ。
■大阪アジアン映画祭2010上映作品

『好猫/グッド・キャット』Good Cats
2008年/中国/カラー/103分/デジタル(日本語字幕&English Subtitles)
監督:イン・リャン(應亮) 出演:ルオ・リャン
◎中国四川省・ズーゴン市。不動産価格の急騰を背景に暗躍するボスとそこで働く運転手。極端な格差社会の中で生きる主人公の夢と現実。『あひるを背負った少年』『アザー・ハーフ』に続くイン・リャン監督の長編第3作。ブリスベン国際映画祭2008国際批評家賞受賞。
■大阪アジアン映画祭2009「アジアン・ミーティング大阪2009」上映作品

『トロピカル・マニラ』Tropical Manila
2008年/韓国・フィリピン/カラー/89分/デジタル(日本語字幕&English Subtitles)
監督:イ・サンウ 出演:ジェラルド・デ・ヴェラ、キム・スナム
◎マニラ生まれの15歳の少年フィリップは、韓国で犯罪を犯しフィリピンに逃亡してきた父とフィリピン人の母との間に生まれた。韓国とフィリピンの両アイデンティティーに挟まれ、父と決別するフィリップ…。バークレーで映画製作を学んだイ・サンウ監督が、フィリピンのプロデューサーと共同製作した長編デビュー作。
■大阪アジアン映画祭2009「アジアン・ミーティング大阪2009」上映作品

『それから』After All These Years
2009年/マレーシア・中国・日本/カラー/100分/デジタル
監督:リム・カーワイ 出演:大塚匡将、ゴウジー、へー・ウェンチャオ
◎10年ぶりに故郷に帰ってきたア・ジェ。しかし、家族や町の住人は口をそろえて彼の存在を否定する。レストランの店主ラオファンだけが、彼を覚えていることを告白するが……。かつて大阪で「CINEMA塾」(塾長:原一男監督)に参加したリム・カーワイが中国の北京近郊で作った監督第1作。リム監督は、今年度、CO2助成監督に選出された。
■大阪アジアン映画祭2010「アジアン・ミーティング大阪2010」上映作品

スケジュール
12/4(土) 18:30 ゴーン・ショッピング!
20:30 100
12/5(日) 18:30 サイアム・スクエア
12/6(月) 18:30 KJ音楽人生
20:20 トロピカル・マニラ
12/7(火) 18:30 見捨てられた青春
20:20 好猫
12/8(水) 18:30 それから
20:30 ゴーン・ショッピング!
12/9(木) 18:30 100
20:45 見捨てられた青春
12/10(金) 18:30 トロピカル・マニラ
20:20 KJ音楽人生
12/11(土) 18:30 好猫
20:30 それから

会場:シネ・ヌーヴォ
   地下鉄中央線「九条駅」6号出口徒歩3分、阪神なんば線「九条駅」2番出口徒歩2分
   TEL.06-6582-1416
料金:前売800円 ◎各回入替制。1作品ごとにチケットが必要です
※前売券は、チケットぴあ、セブンイレブン、サークルKサンクス(Pコード:462-379)、他にて好評発売中!!
当日券 一般・学生1000円、シニア(60歳以上)800円、高校生以下600円

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映画字幕翻訳講座in大阪大学箕面キャンパス

大阪アジアン映画祭のプレ企画として開催され、好評だった「映画字幕翻訳講座」。3回目となる今回は、場所を大阪大学箕面キャンパスに移し開催いたします。字幕翻訳家の松岡葉子さん、映画字幕制作者の堀三郎さんという映画字幕の第一人者のお二人が、やさしくさ分かりやすく楽しく映画字幕の世界を語ります。

日時 2010年12月10日(金)14:40開講(約3時間予定)
会場 大阪大学箕面キャンパス 研究講義棟E棟E106講義室
   大阪モノレール「彩都西駅」下車、西へ徒歩約15分(千里中央、北千里からバスもあり)

講師 松岡葉子さん(字幕翻訳家・映画翻訳家協会会員)
・ フランス語、英語を中心に劇場公開作品、映画祭、テレビ、DVDなど幅広く字幕翻訳を行う。『英国王給仕人に乾杯』、『ロックンローラ』、『フロスト-ニクソン』、『50歳の恋愛白書』、『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』、『ベンダ・ビリリ! もう一つのキンシャサの奇跡』、『ルンバ!』、『アイスバーグ!』、『しあわせの雨傘』(来年公開)などを手がける。

講師 堀三郎さん(アテネフランセ文化センター)
・ 日本における字幕投影システムの第一人者。東京国際映画祭をはじめ日本各地の映画祭で活躍。字幕翻訳プロデューサーとして活動されている。

司会 古川裕さん(大阪大学大学院言語文化研究科教授)
・ 2008年度NHKテレビ中国語講座講師。専攻は現代中国語の文法研究。中国映画や中国ドラマのファンで、音楽や映像を使った中国語教育法にも関心がある。

●料金 無料(ただし、一般の方は事前登録が必要です。下記、お問合せ先へ電話かメールでお申し込みください)
●定員 80名(先着順。満員の際は、お断りすることもありますので、予めご了承ください)
●共催 大阪大学大学院言語文化研究科 
●お問合せ先 06-6373-1211(大阪アジアン映画祭実行委員会) e.mail: info@oaff.jp

●お問い合わせ先
大阪アジアン映画祭実行委員会事務局
〒530-0014 大阪市北区鶴野町4番B-801(NPOコミュニティシネマ大阪内)
TEL.06-6373-1211 FAX.06-6373-1213  E-mail:info@oaff.jp
公式ホームページ…http://www.oaff.jp 

執筆者

Yasuhiro Togawa