ミャンマー(ビルマ)の総選挙が11月7日に行われ、その取材を試みたジャーナリスト山路徹さんが、不法入国容疑で警察に身柄を拘束され、9日無事に釈放されるというニュースが報じられました。

20年ぶりに実施されたミャンマー総選挙では、軍事政権が支持する「連邦団結発展党(USDP)」が80%の議席を獲得したといいます。
一方、民主化運動指導者アウン・サン・スー・チー氏の自宅軟禁は13日に期限を迎える予定で、その後解放されるとみられています。

また2010年9月にはミャンマーの軍事政権から迫害を受け、タイの難民キャンプで暮らしていたミャンマー少数民族、カレン族の難民3家族18人の日本での受け入れが始まりました。
これはまさに『ビルマ、パゴダの影で』描かれていた人々の姿です。

『ビルマVJ』では、危険を恐れず情報を発信するVJたちの映像のなかに、山路さんと同じ通信社のジャーナリスト長井健司さんが射殺される瞬間が映されています。

ニュースでミャンマーに対する関心が高まっている今、外国からの取材を許可しないミャンマーの姿を捉えた貴重なドキュメンタリー2作品をアップリンク・Xにて13日より1週間限定上映することが決定しました。

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『ビルマ、パゴダの影で』
監督:アイリーヌ・マーティー 配給:アップリンク(2004年/74分)
公式サイト http://www.uplink.co.jp/burma/

たどりついた先では幾千、幾万もの人々が過酷な生活を強いられていた。
彼らは軍事政権による強制移住や強制労働、拷問や殺害を含む様々な人権侵害から逃れるため、ジャングルでの移動を続けながらひっそりと暮らしていた。

迫害に怯え、日々生き延びることさえままならぬ国内避難民の少数民族、20年以上も故郷に戻ることが許されない難民、そして民主化の希望を胸に戦う反軍事政権武装組織の兵士達の証言を求め、政府からの撮影許可がおりない中で撮影された本作は、今なお迫害され続ける人々の叫びを伝える貴重なドキュメンタリーである。

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『ビルマVJ消された革命』
監督/脚本:アンダース・オステルガルド 配給:東風(2008年/85分)
公式サイト http://www.burmavj.jp/

軍事政権による独裁が続くビルマ。民主化運動の指導者 アウンサンスーチー氏は、いまなお自宅軟禁中のままだ。苛烈な情報統制によって外国人ジャーナリストの入国が厳しく制限されているため、私たちがビルマ国内で何が起こっているのかを知ることは困難を極める。
しかし、それにも関わらず、世界中のニュースが2007年9月の大規模な反政府デモの様子を報じることができたのはなぜか?
その陰には、拷問や投獄のリスクをかえりみず、情報を発信し続ける〈ビルマ民主の声〉のVJたちの活動があった。隠し撮りされた映像は密かに国外へ送られ、無償で国際的なメディアに配信される。豪雨の中、アウン・サン・スー・チー氏を訪ねるデモ隊の姿や、国軍兵士によって日本人ジャーナリスト長井健司氏が故意に射殺される瞬間を世界中に配信したのも彼らである。映像の力によって閉ざされた自国の未来を切り開こうとする若者たち。
ジャーナリズムの精神を体現する彼らの活動は、いまこの瞬間も続いている。

日時:11/13(土)〜11/19(金) 連日15:00
場所:UPLINK・X (渋谷区宇田川町37-18 トツネビル2階)
上映日程:『ビルマ、パゴダの影で』11/13(土)、11/15(月)、11/18(木)
      『ビルマVJ 消された革命』11/14(日)、11/16(火)、11/17(水)、11/19(金)
料金:¥1,000均一

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執筆者

Yasuhiro TogawaYasuhiro Togawa