村上春樹による世紀のベストセラー小説を、松山ケンイチ、菊地凛子、水原希子ら豪華キャストでトラン・アン・ユン監督が映画化した『ノルウェイの森』(12月11日より公開)。

この度、本作のプロデューサーである小川真司氏が映画化への軌跡をまとめたtwitter連載企画【映画「ノルウェイの森」ができるまで〜ノル森ノート〜】を10/12よりスタートいたしました。

本作は主人公のワタナベの喪失と再生を描いた究極の恋愛物語を描いており、1987年に刊行され国内発行総累計部数は1031万部(2010年9月時点)を突破、国内小説累計発行部数歴代第1位の記録を更新し続けている。海外でも36か国の言語に翻訳・出版されている他、第67回ヴェネチア国際映画祭・コンペティション部門にも正式出品されるなど世界中から注目度が高い。

村上春樹作品の魅力はその独創性の高さと言われている。反面その独創性ゆえに映像化は極めて困難と言われ、中でも特に「ノルウェイの森」はその静謐な美しさを映像で表現するのは不可能だと思われていた。しかし、そんな常識を覆し、奇跡の映画化に結びつけたのがトラン・アン・ユン監督と小川真司プロデューサーだ。
「一体どのようにして映画化をしたのか?!」今回のtwitter連載は、原作ファンを中心に数多くの人々から寄せられる疑問、関心に答えるべく、小川プロデューサーが連載企画を開始した。

早速、開始2回目のツイートでは「僕たちの間では我々がしつこく映画にさせてくれとせまったので、村上さんが根負けしたのではないかというのが定説である(笑)なにせ、最初に村上さんに会ったのはかれこれ6年前になるのだ。今思い返すとものすごく長い道のりだったなぁ。」と語るなど興味深い内容となっている。また、沢山の「楽しみです!!」という反響がある中で、「質問を受け付けてくれる機会はありますか?」、「村上春樹さんの反応が知りたい!」などのツイートも届くなど、映画版への期待感が高まっていることが伺える。公開までの約2ヶ月、小川プロデューサーによる秘話をチェックしておけば、より一層映画を楽しめること間違いないだろう。

【「ノルウェイの森」公式Twitter】
http://twitter.com/norway_mori2010

▼プロデューサー 小川真司
1963年5月2日生まれ。早稲田大学法学部卒。87年にアスミックに入社。96年から洋画配給宣伝の部署に異動、映画宣伝プロデュースを体験。96年から洋画配給宣伝の部署に異動、映画宣伝プロデュースを体験。98年にアスミックとエース ピクチャーズ合併に伴うアスミック・エース エンタテインメント誕生にとともに映画製作担当部署に所属。同年『リング2』(中田秀夫監督)でアシスタントプロデューサーを務め、翌年の『リング0〜バースデイ』(鶴田法男監督)でプロデューサーデビュー。
その後2002年に『ピンポン』(曽利文彦監督)をプロデュースし、いわゆる単館系と呼ばれる作品ながらもメジャー級のヒットを飛ばし、それまでの日本映画界の流れを変えた。
2003年には『ジョゼと虎と魚たち』(犬童一心監督)を製作し、賞レースにも絡みながら大ヒットを果たす。
2004年には『恋の門』(松尾スズキ監督)で演劇界のスター演出家だった松尾スズキの初の映画監督作品のプロデュースをして話題となる。その後も『メゾン・ド・ヒミコ』(犬童一心監督、2005年)、『ハチミツとクローバー』(高田雅博監督、2006年)などを手掛け、常に作品としてのハイクォリティを保ちながらも、商品としても大ヒットを果たすという稀有なプロデューサー。
今回、映画化不可能と言われていた村上春樹作品を映画化できたのは、この人によるところが大きいと言っても過言ではない。

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執筆者

Yasuhiro Togawa